【銀魂】光に焦がる虫

できる奴 ページ23

ー土方サイドー






「・・断片的すぎんだよ、あの腐れニート」




男に追われていた_____？

裏から逃げ出したあいつに、いったい今なにが起きているのだろうか。それを判断するには、
俺が知っているあいつの情報も、現状の把握も
足りなさすぎる。


ただ、嫌な予感が募る。
小さな鼓動は、やがて焦りを得て大きく速く
なっていく。




落ち着きたくて火をつけたタバコが逆効果。
吐き出した紫煙には、女の顔が浮かんだ。



あいつは、万事屋にこれを預けた後
自らその場を去ったのだという。狙われていると
いうのならば、一人で外に出るのは無謀だ。





(ーーーそれに、簪)




手の中におとなしく収まるそれをみやる。
まるで忘れ形見にしろとでも言うようだ。






「・・なにを考えてんだ」



紫煙とともに吐き出したつぶやきが、
誰にも拾われることなく消えていく。

そんな中、部屋の戸が派手に開かれた。






「ーーー副長！！」

「・・山崎、夜中にんなデケェ声出してんじゃねェ
切腹させるぞ」

「腹なら後からいくらでも斬るんで！
それよりも・・」




山崎が興奮気味に告げた知らせに、
眉をしかめる。






「ーーー水岡たちの尻尾を掴みました」


「何？」




大友の証言により、捜査は躍進したが、
まだ核心的な部分をつけないでいたのだ。


それが、奴らの次の武器売買の取引相手の情報を
掴んだという。そこから辿れば水岡に行き着く。

例えば、取引現場を突き止めれば。








「近々取り引きが控えてるみたいで。
ちなみに、現場の目処はたってます」


「・・お前はやればできる奴だって信じてたぞ」

「さっき切腹させられそうになりましたけど」
「細かいことは気にすんな切腹させるぞ」




動くのは早ェほうがいい。
Aのこともある。モタモタしてると、

ーーー二度と、あいつのツラを拝めない気がした。







「すぐに会議を開く！至急隊士たちを集めろ！」


「わ、わかりました！」




つまり、善は急げ。

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