【銀魂】棘を包んだ花

言われなくとも ページ31

ー沖田サイドー





静かな夜だ。
今日はよく眠れそうだと、すでに午前1時を回った
時計を見つつあくびをもらす。

今日は、作戦会議なんつーかったりぃモンのせいで
この時間まで目を開けておく羽目になったが、
まあいい。早ェところ寝よう、と目を瞑った時。

アイマスクで閉ざされた視界の中で、静かだった
夜に、ドタバタと下品な足音が響き渡った。








「ーーー沖田隊長っ！！大変です・・！！」


「・・何でィ、うるせー奴だな。ご近所迷惑だろィ
つか俺迷惑」

「そんなくだらないこといってる場合じゃ
ないんですよ！！」




ザキの分際でくだらねーとは何事だ。
安眠を妨げられた俺は、睨みを効かせるが、
いつも縮みあがるはずのそいつが、なぜか前のめりに、さらに俺に顔をよせた。









「滝峰家が、ーー占拠されましたっ！！」

「・・・は？」





滝峰、とは。あぁ、Aの苗字じゃねーか。
そう理解してからは、早かった。

ーーーとくん、と嫌な音をたてた心臓。
最悪というのは、こういう時に使う言葉なのだろう






「・・どういうことでィ」

「わかりません！どうにもこれまでと犯行手口が
異なりまして・・、まだ状況としては何も、」






蔵を漁り、家人を傷つけ、バレねーように
トンヅラすんのがこれまでだ。ーーそれが、どうしていきなり、立て篭もりなんつー発想に至ったのか








「とにかく！出動命令がでましたっ！
準備してくださ、」

「言われなくとも」







図太くしぶといあいつならば、
嫌な展開にはなってねェと仮定したい。


上着を羽織り、刀を腰にさした俺は、
山崎を押しのけ外へ飛び出した。

夢→←安直な結論

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す