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不気味な笑みを貼り付けながら、男は再度、「早くおいで」と促した。もちろん、断固首は横振りだ。




「・・僕は気が長い方だけど、限度は存在するんだよ。ーーそろそろ、怒るよ?」



怒りたいのはこっちだという話だ。
知らぬ間にポストに意味のわからない手紙を
投げ込まれたし、今だって不法侵入だ。

だからもし返答するとしたら、



「お引き取りください」



これ一択。

効くとは思ってなかったが、・・やはり予想通り
男はお帰りになる雰囲気はない。怪しげな笑みは
そのままで、彼は何やらゴソゴソと懐を探り出した





「ーーなら、仕方ないね」



再び現れた手に握られていたのは、短刀。
木でできた鞘から抜き出された刃が、あやしげに
光を放っていた。





「ッ、・・銀さっ、」
「参ったな、やり合うにゃ部屋が狭すぎる」

「それ今言います!?」



ひどくかったるそうな銀さん。本当に私のこと
守る気あるんだろうか。まあ確かに、目の前には
机、左にはタンス、右にはテレビ。銀さんが構える
木刀を一振りすれば何かに当たる状況だけども。

それにしても緊張感がなさすぎないか。






「これで胸をひと突きするだけで、僕たちは
世の中のしがらみから解放されて、天の上で幸せに
なれるんだよ」




まさか、一緒になれないなら心中ってか?
そんなとんでもない提案は断固拒否だ。




「ーーーおいおい、誰だこいつにヘンテコな宗教
説いたアホは」

「知りませんよ!・・それより大丈夫なんですか?
家具壊したら弁償してもらいますからね」


「マジかよお前」




当たり前だ。こっちだってギリギリで生活してる。

ーーと、そんな無意味すぎる会話が途切れた時、
フルフルと小刻みに震える男に気づいた。






「・・俺の前で他の男とイチャイチャイチャイチャ
しやがって!!!ーー許さねェ」



突如、雰囲気を一変させた男は、
手に持った短刀を勢いよく振り上げる。

ああやばいキレた。頭で理解した途端に背すじが
凍った。銀さんが構え直すのがわかる。

ーーそうして、とっさに目を瞑った。



















静まり返った部屋。
何も聞こえない、息も思うようにできない。

そんな中で、構えを解いたらしき銀さんが、
ついたため息が聞こえてきた。






「・・おい、ちょっと遅くね、登場」


「ーーーヒーローは遅れてやってくるものだろう」







次に聞こえたのは、馴染みのある武士口調。

☆→←☆



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設定タグ:銀魂 , 桂小太郎 , 攘夷   
作品ジャンル:アニメ
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年4月11日 0時

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