新たな協力者 ページ5
ニヤリと口角をあげた小太郎。
その意図はやはり読めず、私も万事屋一行も
眉をしかめる。この事態を、ーー絶対的権力差を覆すことができる連中がいるというのか。
「おいヅラ、テキトーなこと言ってんじゃ
ねーぞ。お前の知り合いにそんなことができる
様なシンプルにすげェ奴がいるわけねェだろ」
「そうですね。ある意味すごい人なら
いそうですけど」
「この期に及んで神頼みなんてことは
ないアルナ?」
「・・・何?信頼ゼロなの?小太郎」
どれだけ信用がないんだ、この男は。
いやまあ、攘夷志士で爆弾魔って、怪しい要素
ビンビンだけれども。
惚れている身として少し恥ずかしい。
「俺の知り合い?・・何を言う。誰があんな奴らと馴れ合うか」
「え?知り合いじゃないの?」
心底不快そうに顔を歪めた小太郎に
謎は深まるばかりである。知り合いでもない人たちが、攘夷志士の、ーーしかもこんな危険な案件に力を貸してくれるのか。
「奴らに私情など関係ないさ。ーー悪事を
取り締まるのが、一応、奴らの役目だからな」
私情二関係なく、悪事を取り締まるのが役目。
それで、今回のことにも手を出せる連中。
ーーーーあれ、いやまさか。
「・・・・おいおいヅラ、血迷ったか」
「桂さん、熱でもありますか」
「血迷ってるのはいつものこととして、
それ以上に頭がいかれてるアル」
どうやらそれには、銀さん含め万事屋メンバーも勘付いたらしい。・・が、どうにも私たちが
予想したものは、小太郎にとって無縁どころか
対極にあるような、ーーいや、はっきり言って
敵である。
つまり_______
「・・・・警察、ってこと?」
「そういうことだ。現実的に考えて、奴らの
領域に手を出せるのは、もはや法律のみ」
思いの外さらりと言い切った小太郎は、
もはや何も考えまいとしているようにみえた。
開き直っているというよりは、自分が警察から
協力を得ようとしているその事実から目を
そらしているみたいで。
「いや待てって。お前が一番憎んでる類の奴ら
じゃねーの?俺が言うのもなんだけど、
プライドって知ってる?」
「そうですよ!警察はあなたの敵ですよ!
下手をしたら桂さんまで捕まってしまう」
「心配いらん。捕まる気はない。・・それに、
警察を誘導するのは俺の役目ではないからな」
次の瞬間、ーー小太郎のまっすぐな眼が私に
向けられた時点で、嫌な予感を抱かずには
いられなかった。
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月11日 0時