【銀魂】願い続けて

たくましい ページ29

万事屋の玄関。
一応、送り出してくれるらしい三人と、
玄関先で顔を合わせていた。







「本当に大丈夫かよ、あんた」

「大丈夫です。少しですが貯金もありますので、それで小さなアパートも契約できましたし」

「そういうこと言ってんじゃねーよ」




銀さんは至極呆れた顔でこちらを見据える。
この気だるげな目も、毎日見られなくなると
思うとまた寂しいもので。






「女一人で歌舞伎町に住むなんざ、かなりの
変わりモンだぜ。ただでさえ危険な場所だってのに、ヅラもよく許したよな」



「ご心配ありがとうございます。けれど、
住むところも、比較的穏やかなところですし」


「・・案外たくましいよな、Aチャンは」

「それ褒めてます？」

「呆れてんだよ」





それはつまるところ、貶してるとうけとっても
いいだろうか。ーーけれどまあ、心配くらいは
してくれているのだろう。





「Aさん、お元気で」

「ヅラも堅物のふりして獣の一人アル。
気をつけるヨロシ」

「あはは、ありがとう」




ーーー歌舞伎町のはじっこに、やっとのことで
格安の家賃で借りられたアパート。

私はそこで、新しい生活を始めようとしている



ちなみに、真選組に逮捕された峯田は
今は取り調べが続けられているらしい。
会いに行く気はないけれど、・・これから先
どこかでまたすれ違うことがあればと思うと、
少し怖くなったりもする。






「ーーーそれじゃ、いってきます」


「おう」





こんなにも堂々と外を歩いたのはいつぶりか。
何の不安もないというのはこんなにも清々しい
気分になれるのか。



・・・あとは、仕事が見つかれば
申し分ないんだけれど。

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