灯りの中に ページ12
ーノーサイドー
深夜。人は皆寝静まり、夢を見るこの時間。
屋敷の一室には、小さな灯りがともされていた
「ーーーまだ見つからんのか」
「・・はい。A様が熟知しているここ周辺を中心に捜索をしていましたが、ーーもしかすると、遠くへ足を伸ばしたのかもしれません」
「全く、飾り物の分際でてこずらせてくれる」
苛立つ気分を落ち着かせるように、
静かに吐き出されたキセルの煙。
峯田は、ギリリと歯を鳴らした、
「捜索場所を広げろ。人員などいくらでも
くれてやる。・・数日後には挙式が控えているのだ。延期は許さん」
「承知しました」
会話を聞いて愉快げに喉を鳴らすのは、普段
峯田を訪ねてくる権力者とは非なる男。
「峯田さんや、ーーあんたまだ嫁さんに逃げられたまんまなのか。随分なじゃじゃ馬を捕まえたモンだな?」
「ふん、・・何。すぐに帰ってくるさ。
それよりあんたが今日ここにきているのは、
そんな下世話を言うためじゃないだろう」
「へへ、ごもっともで」
怪しげに下卑な笑いをこぼした男は、
一枚の紙を手渡した。
「ーーーこの日時、・・だが、停船できるのは
たったの1時間だ。その間に船に積み込め」
「心配いらん。たやすいことだ」
頼りない明かりの中に、ほくそ笑んだ両人の
口元が、静かに浮かび上がっていた
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シュシュ☆☆(プロフ) - さざんかさん» 読んでくださり、ありがとうございます!かなり前に書かせていただいたものなので、今も読んでくださる方がいて嬉しいです! (2022年12月29日 9時) (レス) id: e568b5485d (このIDを非表示/違反報告)
さざんか(プロフ) - 更新お疲れ様でした。投稿してくれてありがとうございました。本編でも、特に番外編でも涙を流してしまいました。とても素敵で感動的で、桂小太郎がさらに好きになりました。出会えてよかったと思える作品です。 (2022年12月11日 4時) (レス) @page44 id: 20c7caba78 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - 亜麻音さん» ありがとうございます!楽しんでいただけて嬉しいです!! (2021年8月5日 20時) (レス) id: 226626a196 (このIDを非表示/違反報告)
亜麻音 - 私ズラ大好きなんで、この話見つけたとき凄く嬉しかったです!素敵なお話をありがとうございました。 (2021年8月5日 15時) (レス) id: 0cca164e31 (このIDを非表示/違反報告)
シュシュ☆☆(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます!確かに桂さんオチ少ないですよね…!私も書いててとても楽しかったので、また書かせていただきます! (2018年3月13日 11時) (レス) id: ad40a3ccd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:シュシュ☆☆ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年4月11日 0時