【銀魂】先天性ブラックシンドローム・続

不安要素 ページ20

「ーーヘェ、じゃあ土方さんは
このクソ野ろ・・沖田さんの上司なんですか」

「今何言いかけたんですかィ」
「いえ何も？」





目の前に座る真選組コンビ。

落ち着いて話をしてみれば、
この黒髪の方は至極まともではないか。

大人っぽいし、落ち着きもある。








「ーーー銀時さんも見習ってほしいものね」
「ッ、聞こえてんぞテメェ！！」





横で酔いつぶれる銀時さんは、
目を釣り上げて机をどんどん叩く。

先ほどからむくれているようだが
理由がさっぱりである。







「それにしても安心しました。
クソ野ろ・・沖田さんをみてると江戸の警察に
不安しか感じてませんでしたから」

「オイコラテメェ、もう聞き逃さねーぞ」


「・・・総悟、お前この娘に何かしたのか」






とにもかくにも、江戸はこれで安全である。
やっと所望されたお酒を出したのだが、

・・・その途端に
荒々しく顔を歪める真選組のまともな方。







「・・・おい、」

「どうしまし、」
「マヨネーズがかかってねェじゃねーか」


「は？」






わけのわからない文句は
まさか真選組の中で流行っているジョークで
あるのだろうか。まじか全然面白くない。

マヨネーズと、酒？




ふふ、ととりあえず微笑んでおく。









「ったく。・・もういい」




そうすれば、その人は呆れたようなため息を
漏らした後自分の懐をガサゴソと探り。


ーーー・・何とマヨネーズを取り出したのだ。



目が点になる私をおいて、その人はジュゴボゴ
と奇妙な音を立てながら、グラスの酒の中に
とぐろを巻いて行く









．









「・・・これは宴会のクソ芸かなにか？」

「確かにクソ芸並みの下品さですねィ」





でも、この人本気なんですよキモいでしょ、と
顔を歪める沖田さん。








(・・・・まともじゃなかったわけね)






江戸の警察は終わりだ。
聞けばこの男は組織の権力者だという。

マヨネーズに不安要素しか感じない。








・・・ここまで人の好感度が急激に
下がったことがあっただろうか。



誤魔化すように隣のクソ野郎に目を移す







「あ、沖田さんのコップにはサービスで
下剤入れときましたので」

「・・・アバズレが」
「それは心外ですね」





沖田さんに仕返しを終え、大満足で
清々しい笑顔を送っていれば。







．









「ーーーちょっと来いテメェ」

「は？何」





突然荒々しく立ち上がった銀時さんの手が
私の腕をひっぱった。

月の下→←貧乏ゆすり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す