【赤髪の白雪姫】紅く色づく銀世界

#41 ゼン殿下 ページ42

コンコンコンッ


ミ「失礼します。
あの、殿下がお怪我をしてしまいまして...

傷の手当てをお願いしたいのですが」


『はい、ただ今！薬室長お呼びするので、
隣の部屋でお待ちください』



私はまだ見習いのため、許可なく患者を診ることは
出来ないから薬室長を呼んでくる。


(あの人、一昨日ゼンを探してた騎士様だ。
名前はたしかミツヒデさん)



ガ「お待たせしました。おや、ゼン殿下」



薬室長を連れていくと、ミツヒデさんと、
椅子に腰掛けるゼン殿下がｰｰｰｰｰｰ



『ゼン"殿下"！？！？！？』

ゼ「おう、また会ったな。A」


ガ「あら A君と面識があるのですね、ゼン様」

ゼ「ああ、こないだ一緒に木に登った」

ミ「...ゼン様のお身体は大丈夫でしょうか？」


ガ「打撲していますが、程度が軽いのでご安心下さい。
記録しますのでお怪我の理由を知りたいのですが」

ミ「......城壁から出ようとして落下されました」

ゼ「言うなよミツヒデ！！」



開いた口が塞がらないとはまさにこのこと。

あまりに受け止めきれなくて、
確かめようとゼンの薬歴に目を移す。



《ゼン・ウィスタリア・クラリネス(13)》



(ほ、本当だった...しかも13歳って、私と同い年！？)


自分より身長が低いから年下なのだと勘違いしていた。



『あ、あの 先日は 無礼な口を叩いてしまって
申し訳ありません...ゼン殿下』

ゼ「何故だ。俺がそうしろと言ったんだから良い」


『いえ、ですが...私と貴方では身分が違います』


ゼ「おまえだってミラシア領の娘だろう。それに、
俺はおまえを気に入ったと言ったろ、A。

だから前と同じように接してくれる方がありがたい」


『う、うーん...承知しま...あっ！わかった、ゼン』

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