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#24 深夜の薬室 ページ25

*・オビside・*


どちらかというと朝方に近い、まだ真っ暗な深夜だった。

誰かの気配がして目を覚ます。


神経を研ぎ澄まし、警戒態勢に入った。


音もなくバッと身体を起こす。カーテンの隙間から
じっくり周囲を見ると、息を荒げたA嬢がいた。

顔にはたくさんの冷や汗をかいている。


少しすると、また布団にくるまった...が、
眠りにつけなかったのかすぐ起き上がって部屋を出た。



(どうしたのかね...
疑う訳じゃないけど、一応ついて行ってみるか)




向かった先は薬室だった。

手際良く何かを準備するA嬢。


(なんだ...?)


A嬢の表情が暗くなる。


(一体、何を...)



『お母様...お父様...』



消え入りそうな声だった。目には若干の涙が見えた。


(困ったな...声を、かけるべきか...)



『...誰かいるの?』



(嘘だろ...気付かれんのか?)


まさかの出来事に驚く。


(そういやA嬢って、俺がリリアスに来た初日に
怪しんで尾行してきたんだっけねえ...)


こうなるともう出ていくしかない。オビは姿を現した。



『!!...オビさん。いつから居たの?』


(あー...これは......涙見たか気にしてるやつだ。
嘘をついても、この人には見破られそうだしなー)


オ「すみません...実は
A嬢が起き上がって治療室出る時から見てたよ」



『...そう。ごめん、格好悪いところ見せちゃったね』



笑ってるのに泣きそうな、そんな笑顔を向けられて...
オビも切なくなった。


(疑っちゃって申し訳ない...とか、思う柄じゃないでしょ。
何を抱えてんだよ、この人は)


気になることが多すぎて、
オビの関心は昨日からずっとAにあった。

あーあ、なんだかねぇ...どうにも調子が狂うな...。



『オビさん、紅茶を入れるんだけど 一緒にどうかな?』

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りち(プロフ) - Mizunaさん» ありがとうございます!エールとっても嬉しいです...!✨️ ご期待に添えるよう精一杯頑張ります (2023年2月3日 5時) (レス) id: 20e5e2012a (このIDを非表示/違反報告)
Mizuna(プロフ) - 続きを楽しみにしています!頑張って下さい! (2023年2月3日 0時) (レス) id: 0ed3c8b7be (このIDを非表示/違反報告)
りち(プロフ) - さくにょさん» コメントありがとうございます!完全初投稿でオリフラも分からずにいました。ご指摘、感謝致します( 'ᵕ' ; ) これからも頑張ります💪 (2023年1月24日 22時) (レス) id: 4131e1e839 (このIDを非表示/違反報告)
さくにょ(プロフ) - コメント失礼します!赤髪の白雪姫好きなので嬉しいです!おりふら立っちゃってますよ💦応援してます! (2023年1月24日 21時) (レス) id: b15bd042db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りち | 作成日時:2023年1月11日 23時

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