継子。 ページ22
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「竈門少年を、継子にしたいと思う!!」
大事な話があると呼ばれたAは、
杏寿郎と向き合う形で座った。
そしてはっきりと告げられたそれに、
大きく目を見開いて固まった。
「……炭治郎くんを?」
「うむ!」
「杏寿郎の、継子に?」
「うむ!!」
「やったー!!!」
両手を上げて喜ぶAに、
今度は杏寿郎が目を見開いて固まった。
こんなにも声を上げて喜ぶAは、初めてみたかもしれない。
そしてそれが、
炭治郎を継子に迎えたいという相談に対してだという。
「……複雑だ!!!!」
「ん?何が?」
「君は竈門少年に愛着を持ちすぎではないだろうか!」
「だって可愛いもの…素直でいい子だし、努力家だし」
「それ以上は言わなくてもいい!俺が嫉妬する!!」
「自分で言うんだ」
恋敵疑惑は払拭されたものの、
こうも他の男を褒められてはやはり良い気はしない。
嫉妬深い杏寿郎なら尚更だ。
「でも、杏寿郎もそう思ったから、炭治郎くんを継子にしようと思ったんでしょう?」
「それはそうだが…」
「…私が愛してるのは杏寿郎だけだよ」
「俺も愛している!!接吻してもいいか!!」
はいはい、と腕を広げたAに飛びつく杏寿郎。
…見える。
ピンと立つ耳と、目にも止まらぬ速さで左右に振る尻尾が。
ぎゅうっ、と抱きしめた後、
その唇に口付ける。
「ん、…っふ、んんっ…!」
「……ハァッ…、」
「っ……ふ、かいっ…よ!!」
「む!!すまん!!」
謝るわりに、ニコニコと上機嫌な杏寿郎に
確信犯だろう…と、Aは思いっきり睨んだ。
触れるだけの口付けは、
この男には出来ないのだろうか。
毎度こう深い接吻をされては、
正直身が持たない。
「竈門少年は水の呼吸の遣い手だが、火の呼吸とやらも遣えるそうなのだ!」
「火の呼吸…?聞いたことないね、」
「うむ、歴代炎柱の書にならば何か手掛かりがあるやもしれんが…俺は読んでいないから分からない!」
炭治郎本人も、
『ヒノカミ神楽』として伝わるそれが、『火の呼吸』として存在していた呼吸だという記憶を仄かに思い出し
戸惑っているのだとか。
「火の呼吸か……もしかすると、『火』、でもないのかもね」
「?どういう意味だ?」
「…んーん、何でもない」
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香澄 - とっても面白いです!!今日の朝は電車で笑いを堪えながら見ていました笑。更新頑張ってくださいね! (2月19日 21時) (レス) @page8 id: 130dd00968 (このIDを非表示/違反報告)
ユリア(プロフ) - RUNAさん» コメントありがとうございます、分かりにくくてすみません、わざと火の表記にしています。日の呼吸について詳しく明かされていない状態での会話になるので…… (7月22日 14時) (レス) @page22 id: bb66615edf (このIDを非表示/違反報告)
RUNA(プロフ) - 失礼かとも思うんですが、火の呼吸じゃなく日の呼吸ですよ! (6月19日 22時) (レス) @page22 id: 391b329446 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - 何度も続けてのコメントですみません。 物語読んでいて気が付いたのですが。。。 番外編.有能妻の日常のここの部分 待っていろ!と掛けて行った。 これ正しくは駆けて行ったではないんでしょうか? (2021年11月2日 1時) (レス) @page34 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
夕 - またまた続けてのコメントですみません。。。 物語一気に読んじゃいました。 この物語では煉獄さん生き延びることが出来て良かった です。。。 その後のお二人のことが気になります。 (2021年11月2日 1時) (レス) @page33 id: 4332e38eb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユリア | 作成日時:2021年2月13日 23時