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題名は、「パンプキンパイ」
事細かに、パンプキンパイの作り方が書かれたいた。其れ以外変な所はない。本当に只の紙切れで、黒狐は透かしたり、裏を見てみたりしてみたが何も他には書かれていなかった。
これの何処が特別なものなのか。
黒狐はそう思ったものの、主人が特別なものと言ったのだ。と云う事は、これはきっと大事なもので、特別で、素晴らしいものに違いない。そう、考え直す。
「主人、これを何に使う?」
「そうですねぇ、やっぱり実際に作ってみるのが一番ですかね。」
白い狐をぽんぽんと優しく撫でながら、主人は声色を上げて、分かったと言わんばかりに踵を鳴らして黒狐の横を通り過ぎる。
「召集をかけよう。優秀な彼等にも雛鳥の彼等にも、忙しいかもしれないが彼等にも。来てくれるだけの祓い屋を……。」
「全員か?」
「えぇ、出来るだけ人は多い方が楽しそうですから。」
黒狐は若干動揺していた。今まで屋敷に祓い屋を数名呼ぶ事はあっても、全員を呼ぶ事は無かった。人が多い方が楽しそうとはどう云うことか、その理由は数時間後には分かる。黒狐は、主人の後ろを着いていき、屋敷の奥に姿を消した。
⬜︎⬜︎⬜︎
収集に応じたのは総勢八名。新人も、ベテランも、仕事帰りらしい人も、ここまで応じてくれるとは主人も思っていなかったのか、嬉しそうに声を弾ませる。
「これだけ集まってくれるなんて嬉しいですね。」
「主人の収集に応じない訳にはいきませんから。」

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