僕らは食用.人間2［約束のネバーランド］ (ページ27)

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　その日の夜。今夜がソンジュに弓を習える最後の日だ。

　ソンジュのおかげで結構感覚も掴めてきたし、的の中心には当たらなくても的には全部当たるようになった。

　練習の成果…だと思いたいけど。逆に睡眠が取れてなくて誰よりも起きるのが遅くて困ってる…。

　ちょっとの時間しか練習してないのに、なぜかみんなが起きる時間の数時間後はざらにある…。

ソンジュ「少しずつだが、弓の構えも的の位置も掴めてきたみたいだな。この調子でいけば弓で戦うことも容易になるだろう。」
　
A「うん…」

　最後の最後まで的の中心に全部当てることは出来なかった…弓って難しい…。

ソンジュ「Aは起きるのが遅いからな、今日はこれくらいにして早く寝たほうがいいぞ。」

A「それはわかってるけど…ソンジュが弓を教えてくれるのこれが最後だし…。」

ソンジュ「それで明日起きれなかったら意味がない。この5日で技は上がっている。あとは明日の本番だ…これから世界を変えるのはお前達だからな。」

　ソンジュは淡々と言うと急にニヤッとしながら「世界を変えてこい」と言った。

　ソンジュって笑顔できないんじゃないかな、ニヤッとしてて怖いし…。

A「まあ…ソンジュがそう言うなら寝るけど…。」

ソンジュ「ああ、それと…俺達以外の鬼は信用しない方がいい。」

A「わかってるよ、ソンジュ達が宗教上の理由がなければ僕らを食べてることだって。」

ソンジュ「それもそうだが、もっと理由は別にある。知能のある鬼ほど…関わってくるものだ。気をつけろ。」

　トンっと背中を押して帰れと言わんばかりにソンジュは僕に背中を見せた。

　口角は上がったまま…ただただ大きく…

　ああ…鬼なのだと。もう一度思った。