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「家になっても家!塀!門!花!木!車!
あはは!これで全然オッケー!」



『いやいやいや!どうなってんの!?!?』



色々な物が文字になって狂ったような言葉を言い出す十四松に
ハイ松は必死に首を横に振っていた。



「なんっだこれ!こんなんなっちゃったよ!」



「もうキャラデザもいらないね」



「フッ、コンテもな」



「美術も音楽もいらなーい!」



『…何これ…』



他の兄弟達も皆それぞれの名前になっており
唯一名前にすらなっていないハイ松は肩を落としながら、
この狂った空間を見詰めていた。



「ミーザンス!シェーー!」



『イヤミまで!?』



そこには【歯】という文字が登場してシェーをし、
イヤミまで文字になっていて驚くハイ松。



「オイラだバーローチクショー!」



「ちょっとちょっとぉ!」



「ホエー」



「ダヨーン!」



「楽しいジョー」



『う、嘘でしょ…』



チビ太は【小】、トト子は【魚】、デカパンは【大】、ダヨーンは【口】
そしてハタ坊は【旗】と、ハイ松以外の全員が文字になっていた。
文字になった全員は喋り出し、少し騒がしく感じられた。



「あっはは!なんだ!自我とか自己認識とか存在意義とか!
案外ちっちゃくて、どうでも良いことなんだ!」



『……』



笑いながら十四松が納得している隣では
あまりのショックからか着ていたパーカーが下がって鎖骨が見え、
無言で消えていくおそ松達を見詰めていた。

すると、周りの漢字達が消える。



「あっ!いいね!僕ももっと身軽になろ!」



十四松は松を消して文字の【十四】になる。



「もっと身軽にー!」



そして、身軽になりすぎたせいか十四松は【十】になった。



「うん!これでも十四松だ!あはははは!」



『わけがわからないよ…』



明るい十四松の隣では混乱するハイ松。
すると、向こうから【一】が二人の前に現れた。



「あ!一松兄さん!」



「あ?お前プラスみたいになってるぞ」



「うん。一松兄さんはマイナスに見える」



すると、三人は無言になった。



「ね、一松兄さん」



「あ?」



「結局のところ、僕たちってなんなんだろうね!」



「さあな。てかこの話がなんなんだよ」



「確かに!」



一松と十四松はそれだけの会話をして二人で消えた。
プラスマイナスゼロとでも言うように。



『………本当になんなの、この話』



一人だけ身軽になっていないハイ松は白い空間でただ一人、そう呟いた。

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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年8月12日 12時

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