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【十四松と移動】
ある松野家の昼下がり。
松野家の前ではカラ松が苛立ちを持ちながら立っていた。
「おい!十四松!急ぐんだ!遅刻するぞー!」
「あっはは!大丈夫!」
「いや大丈夫じゃない…。あと5分しかない。遅刻する…」
「間に合う間に合う!」
「間に合わない!早く!」
「間に合うって!」
二人が何処へ行くのかは全くの不明だが、
急がないといけないイベントでもあるのだろうか。
間に合わないと確信したカラ松は走る準備をした。
すると、ドアが開いて十四松が出てきた。
「何故そんな余裕なんだ…遅刻するぞ」
「しないしない!」
「さあ急ぐぞ。走ろう十四松」
すると、十四松はカラ松の腹を持って持ち上げる。
「……え?」
ポカンとするカラ松を思い切り投げ飛ばしたのだ。
「えええええええ!?!?!?」
綺麗に投げ飛ばされたカラ松の上に十四松が乗る。
もしかしなくても元ネタは桃○白だろう。
「うわぁぁぁぁっ!!!!」
目的地に着き、カラ松は思い切り看板に顔を突っ込む。
着いた場所というのは新しく出来たパチンコ店だった。
十四松は乗っていた背中から降りる。
「ね?間に合ったでしょ?」
笑顔で言う十四松はパチンコ屋に入る。
「フッ、確かに…」
そこは納得してはいけないだろう。
ーーーーーー
【十四松とヒミツ】
二人は新しく出来たパチンコ屋を出る。
十四松は肩を落とし、サングラスをかけたカラ松は
腰に手を当てて左手の人差し指を上に差していた。
この状況でどちらが負けたか勝ったかすぐに分かった。
「いいなー、カラ松兄さんは勝てて」
「フッ。今日はやたらとヴィーナスが微笑みやがった…」
「え?」
「……いや…なんでもない…」
カラ松の言葉に思い切り後ろを振り返る十四松。
しかし、カラ松はすぐに撤回していた。
恐らく、ただ勝ったのではなく、大勝ちしたのだろう。
「そうだ、十四松」
「ん?」
「俺がパチンコに勝ったこと、
「なんで?」
「勝ったと知れたら、たかられる可能性がある」
ずっと前に、トド松がパチンコに勝っただけで、
聞き付けた兄弟がパチンコ警察になって取り巻いた程だ。
もし、大勝ちしたと告げられたら間違いなく、パチンコ警察が発動する。
カラ松は口止め料として十四松に飴を渡す。
「分かった!」
「フッ、信じてるぜ…」
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作者名:びた一 x他1人 | 作成日時:2022年8月12日 12時