俳優に愛される女優

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救命医局前廊下



藍｢はぁ〜、｣

自動販売機で買ったコーヒーを開けて飲む。






ﾊﾟﾀﾊﾟﾀﾊﾟﾀ

廊下の奥の方から誰かの足音がした。




藍｢なにしてる｣




瀬｢……｣



さっき運ばれてきた患者だった




藍｢ベッドに戻れ｣

血腫があるからあまりウロウロして欲しくない



瀬｢…｣




はぁ、まだ何も言わないか。






瀬｢………手術って痛い？｣



急に喋ったと思えばそんなことを聞いてきた

恐らく血腫の事を聞いたようだな。




藍｢麻酔してるからお前は寝てるだけだ｣



瀬｢私ね親がいないの。いや、家族がいない
だから手術して目を覚ましてもずっとひとりぼっち｣




俺も親はいなかったが、ばあちゃんが育ててくれた
でも、こいつは誰も家族がいない。




瀬｢もういっそこのまま死ねないかな。……なーんてね、生きる方法があるのにこんなこと言っちゃだめだよね｣




藍｢………俺も親はいなかった
でも、ばあちゃんが俺にはいた。｣




瀬｢へ〜、先生も両親いなかったんだ。｣






藍｢だから、お前が目を覚ました時1人じゃないように俺が側にいてやる｣




瀬｢え？｣



藍｢何回も言わすな｣



瀬｢先生が、、居てくれるの？目を覚ましても…一人ぼっちじゃない？｣


藍｢あぁ約束する｣


瀬｢っありが、と……ずっと、、ひとりっだったか、、、らぁ……うれしいっ(泣)｣



15歳、反抗期とか言われる歳だが、まだまだ親に甘えたい時期だ。なのにこいつはずっと1人で我慢してた。
そんなこいつを俺は放っておけなかったんだ



藍｢…泣くなしんどくなるぞ」



肩を震わしてまだまだ泣き止む気配がない


無理やり病室に連れていくのは何故か気が引けたから泣き止むまで隣で座っていた。





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