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38【NJ】 ページ38

今 退館したばかりの美術館の裏辺りからだった
間違いなく女性の声で僕達は驚くと同時に飛び出していた
街路樹の間に僅かに立つ街灯の光で微かに見える数人の人影
心拍数が一気に跳ね上がったのがわかった
苦しいぐらいの心拍音を感じながら目を殺す
心のどこかで間違いであって欲しいと願う

次の瞬間目を疑った
こんな光景は作り物の世界でしか見た事がなく実際目にすると吐き気が起こりそうなのと 何処に向ければいいのか わからない怒りが爆発した
咄嗟に世界共通の言語で叫んでいた
ここは日本だけどそれが日本人とは限らないからだ
それに日本人は英語が苦手だから僅かにも威嚇になると咄嗟に判断した

テヒョンも咄嗟の対応で呼んでいない警察官が居るかのように叫んで人影の方に僕達は急いだ
その声に慌てて逃げ出す ガラの悪そうな3人の若い輩
1人は下ろしてたのであろうジーンズを上げながら逃げて行った
更に怒りが込み上げる
ユンギヒョンが逃げる男達に怒鳴りつけていた

下着を途中迄下ろされブラウスの前は破かれ はだけて
中に着ていたキャミソールも肩紐がちぎられていた
無理矢理 上裸にされ露になったものを慌てて着ていたシャツを脱ぎかける
口の中の詰められたモノを素早く取ってみると女性物のハンカチのようだった
女性には見えないように握り込みポケットにしまった

触れてもいいものかわからず立てるか声をかける
僅かに頷くも膝がガクッと崩れて倒れてきた
まだ震える女性は今 この状況を理解しているようで出来ていないような かなり不安定な状態だった
男の自分が触れてもいいのかわからず確認して肩を抱き上げる

人目に付かないようにしなくてはという思いと こんな状態で放っては置けないと女性を支えながら街灯の下まで来た時 僕は愕然とした

それと同時に悔しさと怒りと憎しみの様な気持ちが溢れ返り涙が零れた
美術館の前で涙を流していた彼女だった...

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作者名:明日 | 作成日時:2022年9月19日 5時

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