記録その壱 ページ2
気が付けば森の中にいた。
あぁ、またか。
それが俺の最初に思ったこと。
もうこれで2度目だ。
1度目も2度目もどちらとも過酷な世界にいたけれど、今度はどうなんだろう。
“円”を使い人の気配がする町の方へ足を進める。
それにしても、この森には向こうは気付いてはいないが怪しい気配が少し感じた。
ゆっくりと歩くので町が見えたときには既に日が落ちかけていた。
町に着いたとき、思わず足を止めてしまった。
通り行く人々はみな着物を着ており、俺を怪訝そうな目で見る。
そう、俺のような服装を見たことがないかのように。
ここは、ワノ国…いや、ジャポンのようなところか?
どちらとも確か着物を着ていた記憶がある。
…そういえば、旅団のノブナガも着物だったな。
ズキリ、
胸の辺りが痛む…何故。
それと同時に今まで出会った人達の顔が脳裏に次々と出てくる。
やめろ、やめてくれ。
もういない、もう会えないのだから。
会いたい者に会えない辛さ。
こんな想いを何度もするくらいなら死んだ方がマシだ。
だが、死ねない。……いや、死にたくない。
そう思うのは俺が少なからず人間だからだろう。
そう考えていてもやはり周りからの視線は感じるもので、町も確認出来たので俺はひとまず町を離れ、再び森の中へ入った。
_____________近い。
先ほどの怪しい気配が近くなった。
いや、これは俺に気付いている。気付きこちらに近付いて来ているのだ。
そして、現れた。
月夜に照らし出されたのは、人間だけどそう出ない少し異形なもの。
目を血走らせ、口端を上げる。その口からは赤い何かが垂れている。
そのにおいはかつて俺がいた世界で慣れたにおいだった。
「………美味そうな人間の臭いがする。」
『……キメラアントの次は、鬼か。』
どうやら次は鬼が人を喰らう世界に来たらしい。
1238人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メリエリ(プロフ) - 凄く面白くてお気に入りです!続きはつくらないのですか? (2021年7月13日 19時) (レス) id: 3b02c3cd6d (このIDを非表示/違反報告)
ry_ily(プロフ) - こんばんは!もう更新はされないのですか??とてもいい作品でもっともっと読みたいです!!更新待ってます! (2020年5月15日 0時) (レス) id: c05f4833c8 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - 伊之助推しさん» ありがとうございます!神作品だなんて本当に嬉しいです!!これからも更新していくのでよろしくお願いします!! (2020年2月24日 23時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
伊之助推し - 神作品すぎる、本当にこれ好きなので続木楽しみにしています。 (2020年2月14日 23時) (レス) id: 5a7580d6d4 (このIDを非表示/違反報告)
RUGI(プロフ) - Ecarlateさん» コメントありがとうございます!記録その廿伍に少しだけ書いてあるのですが夢主をおびき寄せるために無惨から呪いを解かれていたという設定です、すみません文章が不足していました汗 (2020年2月2日 17時) (レス) id: 23a9fd6e5d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:RUGI | 作成日時:2019年12月27日 21時