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Jeanne5. ページ5

++



ピタリと足を止めた。
頭のキレるこの人が、私は昔から大嫌いだった。



「_____異能力

サラ の鏡」



口から小さく零れた異能力は私と太宰さんを異空間へと連れていく

___次に目を開けた時、視界はがらりと変わっていた

ミラーハウスのような、鏡に囲まれた世界。ところどころ合わせ鏡になっていて沢山の私と太宰さんが映っている





「____君の異能力は本当に最悪だね」





ため息をついた太宰さんはこちらへゆっくり歩み寄った。私は無言で床を見つめたまま。





___サラの鏡




沢山の鏡に囲まれた此処は異能力をかけられた対象の精神を壊す。

鏡に映る自分が、本物かどうかわからなくなる。「お前ば誰だ」と疑い、最後には自決を選ぶ。

残酷で、最悪な私の異能力。




「___君の香りは私にはどうも合わないみたいだ」



気が付けば太宰さんは私の肩に顔を埋めていた 私の体から出る匂いは酒を飲んだような感覚に襲われるらしい。



「合わないと思うなら離れればいいじゃないですか

自分から歩み寄ってきて…何を…。

貴方のお得意の異能力だったらこんな場所
いつでも抜け出せるはずです」



頬を赤く染めた太宰さんは足がもつれていた。
耳元に吐息がかかってくすぐったい。



「君こそこんな場所に私を連れ出して
何をする気だったんだい?

君も私から離れたいなら今すぐ異能力を解けばいいじゃないか。

そんなに二人だけになりたかった?」



「__死んでください」



「あはは、怖い怖い」



太宰さんはとろんと溶けたような目をして顔を近づける。扇情的な表情はその端正な顔立ちをさらに引き立ててしまう。



____嗚呼、組織を裏切ったこんな人、
もうどうだっていいはずなのに。



両頬を包む手を、首を振って拒んだ。
心の柔らかい所をつつかれているようで
嫌になった___





「君のそういうところ、本当に好きだよ」





拒んだ私を見て耳元で太宰さんは小さく笑った。
そっと離れてまた元の距離に戻る。





「…私は貴方のことなんか嫌いです」





少し強めに言葉で突き放した。





「__そうかい、私は変わらず好きだよ」




余裕そうな笑みを太宰さんは浮かべる
頬の紅潮は徐々に引きつつあった。





「やめて」





「A」





「____いやだ…」





悲しくて、涙が零れた。


____私を置いて組織を去った貴方の事なんか。
私の世界の全てだった、貴方の事なんか。

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奥山乃愛(プロフ) - 初コメ失礼します!私、逆ハー大好きなんで嬉しいです!無理せずに頑張ってくださいね! (2023年3月5日 19時) (レス) id: fdc1778b4b (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - ちっぽけさん» あああああフラグ立っちゃたんですか(震え声)了解です!笑 (2018年3月1日 4時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - 初季さん» 最初はこの作品、フラグなしだったんですけどフラグがたってしまって…その時に頑張って回避しようとしてた言葉ですね笑 そうです、その言葉であってます汗 (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
ちっぽけ(プロフ) - ショコラさん» ありがとうございます!(><) (2018年3月1日 1時) (レス) id: c64884f1ed (このIDを非表示/違反報告)
初季(プロフ) - こびぐすりとはび やくのことでしょうか…?フラグ防止でわざとだったらごめんなさい(><)面白くて大好きです!これからも頑張ってください! (2018年2月26日 0時) (レス) id: 6dc40941cf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちっぽけ | 作成日時:2018年1月17日 0時

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