ジャンヌ 【文豪ストレイドッグス】

Jeanne30. ページ30

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____やつがれの体からあの芳香が?

有り得ない。

あの香りがするのなら、自分でもわかるはずだ。
この部屋の血痕も、既に乾ききっていて
錆の臭いしかしない。

____何故わかる






「彼女の世界の全てが、私だからだよ」






やつがれの心を見透かしたように、太宰さんは答えた。





「ついに君も手を出しちゃったんだねぇ」



「___やつがれは、」



「抱いてないって?
あは、臆病だね。あんなに彼女を毛嫌いしてたのに。
一層の事、あの子を壊してしまえばいいのに…」




腰に絡めた足をゆっくりと下ろし太宰さんは俯いて
笑う声を漏らしていた。やつがれは眉をひそめる。





「___矛盾している。
貴方はジャンヌを…」





"愛しているのでは、なかったのか"





「___良い事を教えよう、君に。

Aを見つけたらまず布か何かで目隠しをしろ。
次に両手で彼女の両耳を塞ぐんだ。

____それから接吻を交わすといい。
暗闇にキスの感覚だけが残る。

____1発で彼女は落ちるよ。
嗚呼、想像するだけで…」




太宰さんはニヤつく口元から苦笑の声を響かせた。


肩を震わせた太宰の吐息が熱くなった。




___わからない。
今も昔も、この男が何を考えているのか。



自暴自棄?
ただのサディスト?



答えは____。





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「運命という言葉を全て貴方に捧げたい。」



「___私の世界を、全て君にくれてやる。
…だが、共に生きる事は出来ないよ。」






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