ジャンヌ 【文豪ストレイドッグス】

Jeanne23. ページ23

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____容姿が優れているという理由だけで組織の幹部に選ばれ首領の側近になり、師 太宰と対等に話せる。



外套の牙が気絶しているAの頬に
そっと切り傷を刻んだ。


それだけの行為に征服感がどっと溢れ出す。







____気に食わなかった。







ジャンヌは何があっても殺すなという命令をマフィアに入った時からずっと聞いてきた。



敗北と屈辱の炎に身を焼かれ泥水を啜って生きてきた自分と、周りに大切にされて己が妄執のためだけに動こうとした女。



そして、太宰の事しか頭にない目の前の人間に…

ある意味同族嫌悪を抱いていたのかもしれない。


___焼け付くような嫉妬と、憎しみの毒が体中を蝕んでいく。






それでもジャンヌは美しい___






何かが胸の中で燃え盛る。
絵画の住人のような整い過ぎた顔の造形。


どの角度から見ても、どれだけ血を流しても、
_その美しさは止まる事を知らない。


太宰の事しか頭にない愚かで馬鹿な女。



僕-やつがれ-が、二人の間柄にどれ程の
屈辱と嫉妬に踏みにじられてきた事だろう

舌打ちをして異能力を解きAの両頬を
片手で挟んだ。


ガスマスクを無言のまま外すと、
一気に肺に香りが流れ込んでくる。


咳き込み、芥川は酔った。







「ぁ…くたがわさん?」







星を零すまつげがゆっくりと上下に動き出しした。
アメジストの瞳がすっとやつがれを覗いている。




____ジャンヌの首筋の血を舐め取り
接吻を交わした。









______嗚呼、やつがれも、か。

やつがれでさえ、この女の香りに美貌に勝てないのか。









ジェラシーを感じていた相手に惑わされてしまう。



やつがれも彼らと同じ男でありそれらに
従う獣でしかない___


そんな自分にがっかりしながら片手に持っていたガスマスクを投げ捨てて両手でジャンヌを壁に押し付けた。






息を吸う暇さえ与えたくない。






こんな欲に忠実な獣の姿など誰1人として
見せたくない。









_____一層の事、

この女を接吻で殺して魅せやうか。

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