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Aside
あれから数日が経った。
あの日から私たちの間に少しだけ壁ができたような気がした。
いや、出来たんじゃない…
この壁は私が作ったんや。
重岡「A〜、一緒に行こや!」
貴「ごめん…私トイレ行ってから向かうから先行ってて!」
またある日は
神山「Aさ、今度の水曜オフやろ?一緒に買い物いかん?」
貴「あ…ごめん!私もう予定入れてるの!」
すべての誘いを断り続けた。
断った時に申し訳ないなって罪悪感はあった。
だけど、断るのは理由があった。
今でもたまに見るあの夢。
ホームから落ちて上がれなくなる。
私からしたらあのホームはステージのような気がして、夢みたいに、いつかみんなに落とされるんだって思ってしまう。
貴「そんなの見たら…皆と普通に喋れないや」
みんなの誘いを断って楽屋を出る時は決まって建物の屋上に行く。屋上がなければテラス。
そこで空を見上げていろんなことを考える。
貴「は〜…ダメだ。」
私はあの日からひとつの問題にぶつかっていた。誰にも言えない…これは言っちゃいけない問題。
貴「月が浮かぶ夜空に気づけば君を写してるよ…」
私は深呼吸をして きみへのメロディーを歌い始めた。
貴「好きだよ…好きだよ…君のことが」
貴「いつもそばで感じていたいよ ちょっと泣き虫なとこもあるけど」
貴「すべてが愛おしくて守りたい 僕の全てで…」
ここまで歌った時にあの光景がフラッシュバックした。【お前のこのパート嫌いなんだよ】【A消えろよ】
貴「っ…やっぱだめか」
なんとなく分かってた。歌われへんようになってるって。一番好きな歌を…一番好きな歌詞を…
貴「どうしたらいいんっ…」
重岡「やっぱり。」
声が聞こえて顔を上げると目の前にしげが立っていた。
貴「あっ…まだ撮影時間ちゃうやろ?なにしてるん?」
重岡「お前こそなにしてるん…こんなところで」
しげはいつになく真剣な顔で、少し怖かった。
重岡「なんでみんなと距離置くん」
貴「いや…べつに」
重岡「なんで1人になるん」
貴「歌えなく…なっちゃった」
言うつもりがなかったのに私は思わず言ってしまった。
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あんず(プロフ) - つぐみさん» 第2作品目も書かせていただきましたので、べひ続編へどうぞ! (2018年2月15日 12時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
つぐみ(プロフ) - 続編希望です。 (2018年2月15日 11時) (レス) id: f3677715b6 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - やさきみさん» ありがとうございます!続きを色々と考えている時間が私もすごく楽しいです!これからもバンバン更新していきますのでよかったら引き続き応援よろしくお願いします! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - はりぼうさん» はじめまして!お立ち寄りありがとうございます!違うジャンルを読む時にたまたま私の作品を読んでくださるなんてほんとに嬉しいです。涙まで…これからも頑張るのでよければ読み続けてください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 5484d1d8ff (このIDを非表示/違反報告)
やさきみ(プロフ) - いつも拝見させてもらってます!卒業発表のとき、オーラスのあとの話がすごく感動しました!続きが楽しみです!更新頑張ってください! (2018年2月11日 23時) (レス) id: 2b88adeffc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あんず | 作成日時:2018年2月5日 19時