【短編集】やる気は無いけど欲はある【そらる】

あさ ページ7

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そらるside



「…ん」



腕の中で何かが動く感覚で目を覚ます



「…A」



腕の中で薄い瞼を閉じて眠る大好きな人の頭を撫でて、ぼんやりとした頭のまま顔を見つめる



「そんなにそらるさんが誰かに向かってゆるゆるの表情なの初めて見た」色々なやつらによく言われる



個人的にはいつもと同じ…だと思う



でもやっぱり可愛いものは可愛い



いつも可愛いと言ったら目を逸らすか真顔になるかのどちらかなので少しさみしい気もするがまぁいいだろう可愛いから



…きもいとかいわないで、おいその目をやめろ



そんな時、ベッド脇の携帯が震える



「…誰」



右腕を緩めて手を伸ばし、携帯を見るとメールが来ていた



「まふまふ？」



文章を見ると、音源を送るのを忘れてたみたいで



「あっ…やっべ…」



そう思い、ベッドから出て音源だけを送って布団に戻る



その時だった



「…そらる」



「え…」



布団の中から少し掠れた声が聞こえて少し下を見る



「どこ、いってたの」



「ちょっと仕事があって」



「…ふぅん」



それだけ言って布団に潜ると、腕が背中に回る感覚



「寒い」



「…そっか」



そうつぶやく声とともに口角が緩む



口下手でちょっと甘えるのが下手なAの甘え方なんだな



そうわかって



「…すき」



やっぱり、すきだなぁなんて



言ったらきっと叱られるだろうな



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