相反恋愛 Ⅲ【ドラコ・マルフォイ】 (ページ41)

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Story 133 ページ41

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二人とも恐怖の悲鳴をあげて身をかわした。

すると、ネズミ花火はそのまま真っ直ぐ二人の背後の窓から飛び出し、校庭に出ていった。

その間、ドラゴンが数匹と、不気味な煙を吐いていた大きな紫のコウモリが、廊下の突き当たりのドアが開いているのをいいことに、三階に抜け出した。

アン「早く、フィルチ、早く！何とかしないと、学校中に広がるわ…ステューピファイ！」

アンブリッジの杖先から赤い光が飛び出し、ロケット花火の一つに命中した。

しかし、空中で固まるどころか、花火は大爆発し、野原の真ん中にいるセンチメンタルな顔の魔女の絵に穴を空けた。

魔女は何とか脱出。

アン「失神させてはダメ、フィルチ！」

アンブリッジが怒ったように叫んだ。

お前がやったんだろうが。

大体花火に失神呪文が効くかばーか

フィルチは魔法が使えないので、近くの倉庫から箒を取りだし、空中の花火を叩き落とし始めたが…まぁ、結果は分かる通り、箒の先が燃え出した。

『馬鹿しかいないなほんと』

他の先生たちも、そんな二人を見て気分が良さそうに笑っている。

誰一人として助けない。

ざまぁみろ

結局、アンブリッジは校長として最初の日の午後を、学校中を飛び回って過ごした。

校長なしでは何故か自分の教室から花火を追い払えないと、アンブリッジを呼び出したからだ。

まぁ、嘘だろうけど

最後の終業ベルが鳴り、みんながカバン持ってグリフィンドール塔に帰る途中で、フリットウィック先生の教室からよれよれになって出てくるアンブリッジを見た。

髪を振り乱し、煤だらけで汗ばんだアンブリッジ。

私は至極満足した。

フリ「先生、どうもありがとう！線香花火は勿論私でも退治できたのですが、何しろそんな権限があるかどうかはっきり分からなかったので」

フリットウィック先生の小さなキーキー声でそう聞こえてきた。

『最高すぎ』

アンブリッジの悔しそうな顔を見て、私はご機嫌で寮へと戻った。

その夜のグリフィンドール談話室で、フレッドとジョージは英雄だった。

あのハーマイオニーでさえ、興奮した生徒たちを掻き分けて二人におめでとうを言った。

ジ「どうだった？ウィーズリーの暴れバンバン花火は」

喧騒を一人奥のソファーから眺めていた私の隣に、ジョージがやってきた。

『流石だね』

ジ「君に褒めて貰えるなんて光栄だね」