第四十八話 ページ4
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炭「俺の…父のことですが、」
杏「君の父がどうした」
炭「病弱だったんですけど…」
杏「病弱か!」
『はぁぁぁ…』
何故こんなに興味を持ってやらんのだ…こっちが頭を抱えるぞ…
炭「でも、肺が凍るような雪の中で神楽を踊るんです」
『…そうか、竈門は山村出身だったか。』
炭「はい!だから雪がよく積もるんです」
杏「それは良かった!」
私は隣の煉獄を睨む。
興味のないことに関しては本当に興味がないこの性格は直すべきだ。柱として。
炭「あの!!」
『…!』
杏「なんだ!!」
『私の耳元で叫ぶな!!』
杏「すまん!!」
炭「ヒノカミ神楽…炎舞!咄嗟に出たのが子供の時に見た神楽でした。もし、煉獄さんが知っている何かがあれば、教えて貰いたいと思って…」
幼い頃に見た光景が型になって出てくる、か。
私と同じだ。
しかし、肝心の煉獄は黙ったまま前を向いている。
『な、…おい…煉獄…返事をしてやらないか…』
杏「うむ!!だが知らん!!」
炭「え!?」
あぁ、目眩と頭痛がする…
すまん竈門…煉獄はこういう奴だ…
杏「ヒノカミ神楽という言葉も初耳だ。君の父がやっていた神楽を戦いに応用できたことは実にめでたいが、この話はこれでおしまいだな!!」
『隊士に対してその態度、柱としてどうなんだ。』
杏「知らんものは知らん!!俺は答えられないなら答えられないと言う!!」
『はぁ…竈門。』
炭「?はい!」
『型には、独自のものが生まれる場合があるんだ。私は雨の呼吸の使い手だが、炎の呼吸に似た型がある。』
炭「そ、そうなんですか!?でも、雨の呼吸って水の呼吸の派生では…?」
『そうだ。だから、炎を操る訳では無い。私の独自の型…紅雨不知火は、煉獄を見て編み出した。』
炭「煉獄さんを見て…」
杏「俺と麻友は幼少期から共に過ごしていたからな!しかし、水の派生の麻友が炎の呼吸に似た型を編み出したことは凄い!!」
自分の事のように満足気にそう語る。
まぁ、見て編み出したというより…思いが強すぎて勝手に生まれただけだが…
これは絶対に言わんがな。
すぐ調子に乗るから。
『だから、炎を使ってるからといって必ずしも炎の呼吸と関係があるとは限らないんだ。さっき竈門が言ったように、父君の記憶が色濃く残っているから出来た、というだけかもしれないからな。』
炭「…なるほど…」
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時