第七十四話 ページ30
*
義「麻友」
『…!冨岡…?』
義「どうかしたか」
『…いや、大したことではないんだ』
久しぶりの任務だった私は、冨岡と共に動いていた。
まだ本調子じゃないということで、暫くは他の柱との合同任務になるだろう。
任務を終え、全てが片付いたにも関わらず動かない私を怪しく思ったのか、冨岡が側まで来てくれた。
義「まだ本調子じゃないんだ。無理はするな。」
本調子ではない。
しかし、かれこれひと月はこの調子だ。
『…冨岡』
義「なんだ」
『…そろそろ、潮時なのだろうか』
義「…!そんなことはない。あれほどの傷をおったのだから、仕方ないだろう」
『そう、だな…』
遅れを取り戻そうと毎日鍛錬をしている。
しているんだ。
なのに、前ほどの力が出ない。
きっと冨岡も気づいているだろう。
もしかしたら他の柱も気づいているのかもしれないな。
それに、自分のことは自分がよく知っている。
仮に今上弦が出てきたら戦えるか?と問われたら、私は頷けないだろう。
胸を刺された時、肺にも支障が出てしまった。
呼吸が上手くできないのだ。
最近、こんな私がいたら鬼殺隊の足を引っ張るのではないかとよく考えるようになった。
お館様の為に、弱き人の為に…そして、煉獄を守る為に私は戦いたかった。
義「…気負うな。」
『…』
義「鬼殺隊にはお前が必要だ。そんなに不安なら、他の柱にも聞けばいい。誰一人としてお前を邪魔だと言う奴はいないだろう。」
『……あぁ』
こんなところで考えていても仕方ない。
私は刀を収めると、軽く呼吸を整える。
義「行けるか」
『ん、行ける。すまなかった。』
私がそう言えば、冨岡は大丈夫だと言うようにゆっくり歩きだした。
煉獄に…相談してみるのもありかもしれないな。
そんなことを思いながら私は冨岡のあとを追った。
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真季 - 続編おめでとうございます。引き続き楽しみにお待ちしてます。 (2021年10月7日 23時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年10月7日 22時