第三十一話 ページ33
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結局今日は不死川に助けて貰って、本当に一日中過ごした。
おはぎを食べて、稽古をして…
色々して疲れたな…
今日は早く湯浴みをして寝よう。
そんなことを考えながら屋敷の門を開けると、腕を組み仁王立ちする煉獄がいた。
『ッひッ!?れん"っ!?』
名前を呼ぶ前に勢いよく腕を引かれ、口に手を当てられ声が出せない。
煉獄は黙って屋敷の門に鍵をかけ、私を連れて屋敷の中へと入っていく。
『ん"んッ!!くッ…!』
どれだけ暴れてもビクともしない。
男と女の違いを嫌でも思い知らされた。
そして私の寝室へ辿り着くや否や私を突き飛ばす煉獄。
『いッ…何をするっ!!…ぁ…』
暗闇の中、煉獄の瞳がギラギラと光っている。
何も言葉を発しないから余計に怖い。
『っれ…「よもやよもやだ。」っ…は?』
杏「随分と俺を避けてくれた。」
『…っ…!』
やはり流石の鈍感でも気づいていたか…
杏「何故避けていたのか…ゆっくり話してもらおう。何、時間はたっぷりとあるからな。」
『お、お前に話すことなどなゔッ!?』
顎を強く掴まれ、顔を上げさせられた。
煉獄の口元は相変わらず弧を描いている。
杏「この期に及んで、俺には関係ないと?よもやよもや…そんなことを考えてなどないだろうな」
『ッッ…』
今の煉獄からは恐怖しか感じられない。
杏「さあ、話すんだ。」
『…っ…断ると、言ったら…?』
杏「それならばこうする。」
『ぐッ…!』
一瞬で肩を畳に押し付けられる。
そしてそのまま完全に組み敷かれてしまった。
杏「言う気になっただろう?」
『っ……お、…前が…信用ならない、んだ…!』
杏「む…それは一体どういう?」
『…この間、お前が甘露寺と二人きりで出かけているのを目撃してしまった。お前達が私に話しかけるより前に…。』
杏「何故声をかけなかったんだ?」
『か、かけられるわけないだろう…!二人で楽しそうに…店主たちも言っていた。まるで恋仲のようだ、と。』
杏「…!」
『っ…苦しかったんだ…。確かに、お前ら二人はとても似合いだったから…。甘露寺は可愛らしい。私と違って女らしく…表情が豊かだ。愛想も良い。』
杏「…」
『元継子と師範の仲だったとしても…そのような関係だったからこそお互いに知る何かがある。だから、…っ…お前が私に言っている言葉を、甘露寺にも、言っんッ…!』
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時