第二十八話 ページ30
*
煉獄、驚いていたな。
いつもなら振り払うことはしないから仕方ないか。
あの後、自分の屋敷に戻るのも良かったのだけど不死川がうちに来いと誘ってくれたので、お邪魔している。
実「お前と煉獄良い感じって聞いてたが、そうでもねェみてェだなァ」
『…はっ…煉獄の戯言だ。気にするな。』
実「こんな険しい顔して何言ってんだよ」
私の眉間に指を当てて、呆れた顔をする。
『不死川には関係ないだろう。』
実「あ?助けてやった奴に対しての態度がそれかァ?」
『痛い痛い痛い痛い…』
つむじをゲンコツでグリグリされる。
これがまた痛いんだ。
実「何を気にしてんのか知らねェが、甘露寺と煉獄はそんな関係じゃねェぞ」
『…なんの事やら。』
実「お前なァ…」
『良いんだ。そもそも私は煉獄からの好意を拒んでいるから。まぁ、好意なのか知らんが。これでアイツと甘露寺…または他の女が良い雰囲気になったとしても、私は何も言えないさ。』
実「ったくよォ…めんどくせェことになってんなお前ら。」
全て私が悪い。
でも、いざ目の前で他の女と親しく笑いあっているのを見るとどうしても苦しくなってしまう。
私もこれでも一応女なんだ。嫉妬くらいする。
『不死川は、いないのか。そーゆー相手は』
実「あァ?逆にいると思うのかよ」
『思わないから聞いているんだ』
実「んだとテメェ…」
『じゃあいるのか!!』
実「いねェよ!!」
『なんなんだお前は…』
急にキレるからいるのかと思った。
今頃二人で出かけているのだろうか。
呉服店とか…もしかしたら簪…
はぁ…余計なことを考えるのはよそう。
『男に生まれたかったな。』
実「何言ってんだ。お前みてェな美形の男がいてたまるかよォ」
サラッと褒めてくれるのだなこいつは。
__愛い!!
…甘露寺にも同じことを言っているのだろう?
『お前はもし、慕う女性がいたとしたら…他の女と二人きりで会ったりするか?どんな理由であれ。』
実「まぁ…任務は仕方ねェが、二人きりで出かけることはしねェ…かもな。」
『…不死川を好きになれれば良かったな。』
実「…!」
私は最低だ。
勝手に嫉妬して、勝手に傷ついて、勝手に突き放して、勝手に疑って…
こんな醜い女、煉獄のような男には見合わない。
それで言ったら、不死川もだがな。
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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時