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第十三話 ページ14







上弦が迫ってくる。





立たなければ、刀を取らなければ





そう思っても、身体中の骨が折れて動けない





こんなところで、死ぬわけには…っ…





何とか刀を握ろうと、這いつくばって手を伸ばす。





『ッは、ぁッ…くッそ…ッ…』





猗「さぁ!!俺と共に_ッ…!?」





あと少しで私に触れる、というところで上弦の動きが止まった。





何とか顔を上げて見れば、上弦にしがみつく志雨の姿が。





志「こ、れ以上ッ…姉上に手を出す、なッ…!!!」





暴れる上弦に食らいついて離れようとしない。





やめろ、やめてくれッ…それ以上はッ…!!





『しゅ「俺に触るなッ!!!」ッ…は………』





次の瞬間、私の目の前で、志雨の身体が宙に舞った。





ドサッという音に、その方を向けば





地面に伏せ、ピクリとも動かない志雨の姿がある。





『ッ…う、そ……だッ……ひッ……しゅ、うッ……志雨…ッ…志雨ッッ!!!!!』





地面を這いながら志雨の元へ行く。





何度も何度も名前を呼んで、身体を揺らしても志雨の瞼は閉ざされたままだ。






猗「蹴られただけでそのザマか。最初から始末しておけば良かったな。」





『……貴様………』





猗「ッ…!?今までとは違う殺気が…ッ…」





身体の痛みがスッと消えた。





刀を手に取り、握り直す。





『雨の呼吸_捨ノ型…ッ!!!狐嫁の時雨ぇぇぇッ!!!!!!』





雨の呼吸の奥義。





捨ノ型 狐嫁の時雨。





一気に距離を詰め、そして瞬きをする一瞬で頸に刀を入れる。





コイツが自分の状況に気づいた時には、刀は頸の骨に届きそうになっていた。





猗「ッ破壊殺・滅式ッッ!!!!!!」





とてつもない衝突音と共に、私は吹っ飛ばされてしまった。





あと少し、あと少しだったのに…





猗「ッ…陽が…ッ…!!」





あと少し、足止め出来ていれば…アイツをッ…アイツをッ…仕留められていた、のにッ…





『ま"ッ………てッ……』





届かない。届かないが、それでも必死に手を伸ばし、奥へと逃げていく上弦を捕まえようとする。





『にッ…げ……るなッ……』





呼吸が出来ない。





もう、身体が動かない。





志雨…志雨…っ……





残された力で、志雨の元へ身体を動かす。





私を必死に守ろうとしてくれた、小さな身体を抱きしめる。





暖かい、まだ生きている…まだ、死んでいない…





早く…ッ……誰かッ…





その時、私の頭上で雨小宵の鳴き声がした。





きて、…くれたか…

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真季 - 最新楽しみにお待ちしてます。長くなってすいません汗 (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
真季 - 初めまして。お疲れ様です。最新も早くて楽しみに読み進めて来ました。夢主よ、どうか自分の気持ち正直になって煉獄さんと恋仲になって下さい…!あの鬼殺の男、怪しい匂いが漂ってますね…。彼女に手を出したその時は是非、煉獄さんの赤き炎刀で…! (2021年10月4日 7時) (レス) id: ac0ba7e69a (このIDを非表示/違反報告)
冴凪(プロフ) - とても面白いです!話のテンポも良くてワクワクしながら読みました!更新ファイトです! (2021年9月30日 22時) (レス) @page12 id: 8d3f590c11 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かふぇらて | 作成日時:2021年9月29日 1時

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