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浮かれていたのかもしれない。
ミンミンミン、とセミがうるさく世界を支配する夏の中、何が嬉しかったのか、ただ単に夏の温度にやられていただけだったのだろうか。
私の脳は正常に働いてはいなかった。
家に帰る道、家が偶然にも近かった轟焦凍と偶然にも近い形で一緒に帰っていた。
会話こそなかったものの、したくなかったわけじゃない。話題はなかったが、隣を歩いていた。
それが、馬鹿だった。
｢……っ夢宮っ！｣
気づかなかった。
普段よりも近い距離にいる轟くんに心臓がうるさかったから。
後ろからくる、車なんて。
ﾌﾟﾌﾞｰっ！とそんな音がした時には衝撃が来ていて、私は頭を打った。
痛みの中目を開ければ、全身を打ったであろう轟くんが血を流して倒れていた。
私も血が流れて、意識が遠のくと共に聞こえるのはガヤガヤと人の声と救急車の音。
目を覚ましたら病院のベットの上。
私はこれからどれだけの人に責められるんだろう。1番怒っているのはエンデヴァーだ。クラスの皆も。白い目で後ろ指を刺されて生きていく。
｢夢宮さん！よかった、目が覚めたんだね｣
｢あの、あのっ、轟くんは！？｣
同じ病室ではなかった。
私よりひどい怪我。無事なはずがない。
心配してくれている緑谷に轟君のことを聞いた。
目を、覚まさないと。
傷はリカバリーガールの個性のお陰で傷は治ったが、目を、覚まさないと。
｢僕、思ったんだけどさ、事故の時夢宮さんの個性が発動しちゃったんじゃないかって…｣
私の個性は夢を見せること、他人の夢、自分の夢に入り込むこと。夢を見せるというは、幻覚を見せることも出来る。まぁ、戦闘向きではない。
混乱して、轟くんに個性を使ってしまった、と。
馬鹿。私の馬鹿。
轟くんの眠る部屋には当然だろうか。エンデヴァーがいた。あと、多分轟くんのお姉さんも。
｢君か。焦凍をこんなにしたのは｣
｢っ、すみ、すみません、でした｣
迫力のある顔が、近く。
怖い。いや、それ以上に申し訳ない。
違うでしょお父さん、とお姉さんが前に来る。
｢焦凍は夢宮さんを守ったの。ヒーローらしいことをしたの。夢宮さん、そんなに自分を責めないで｣
焦凍のやったことは誇りだよ、と私を気遣っているんだろうか。怒鳴ってくれればどんなに楽だったのか。
でも目を覚まさない。
覚まさなければ意味がない。
轟くんから守ってもらったこの命。
轟くんに使わなければ、私の生きる価値がない。
私なんて忘れてもいいから。
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緋色 - 他の読んだことのない作品、全て読ませていただきました。切なく美しいオチの作品ばかりで思わず涙腺緩みました…これからも頑張ってください！！ (2018年10月5日 22時) (
レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - 緋色さん» ありがとうございます！！来世で結ばれますように！！ファンなんて…！！！感謝感激です！！よろしければ他の作品も読んでみてくださいね！ (2018年10月5日 11時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - こんなに素晴らしい作品をありがとうございます…夢主と轟くんが来世で結ばれることを祈っています！これからも頑張ってください！！大大大ファンになっちゃいました…これからもにゃんさんの作品を楽しみにしています！！！これからも頑張ってください！！！ (2018年10月4日 23時) (レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
緋色 - 分かりやすく説明してくださりありがとうございます！意味が分かりました！切ない話ですね…夢主は自分の身を犠牲にしてまで轟くんを助けたかったんですね…意味わかった瞬間泣いちゃいました…占ツクでこんなに泣いたの初めてです… (2018年10月4日 23時) (レス) id: 04ecd32bcd (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - なれた。好きな人を、轟くんを守ったヒーローになれたと、伝えました。。こんなところでしょうか。知りたいところが違ったらすみません！また教えていただけたら説明いたします！ファンだなんて！！ありがとうございます！！ (2018年10月4日 22時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年6月23日 20時
