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次起きて、死神がいない。
いつもの場所にいる死神が見当たらない。
眠る前のことはよく覚えている。ただ、そこにいない。
綺麗な花がはらりとベッドから落ちたように見えた。小さな花。なぜか死神の顔を思い出した。
そういえばこの前、麗日がお見舞いにと持ってきた花と同じ。
もしかして死神が摘んできてくれたのだろうか。
ガヤガヤと、周りがうるさい。
酸素マスクが外れてるだの、何があったのとか。扉の方を見れば、涙を浮かべた家族と緑谷が俺を見ていた。
｢大丈夫なの焦凍！？｣
｢轟くん、体の具合は！？｣
医者ですらおののくほどの迫力に思わず言葉を失う。
すぐに俺の検査が行われた。
奇跡だ、と医者が漏らす。
破片が無くなっているだの、こんなことが、だの。俺、そんなの聞かされてない。
ただ、気を失う前の痛みがない。体が軽くなったみたいに。
すぐに家族が呼ばれ、医者と話をする。緑谷は水を買ってくると出ていった。
その間、俺一人。
報告したい相手がいる。
知っているかもしれないけど。
｢なぁ、治ったんだって、俺、｣
｢……｣
しんと静まる病室。
死神が来ない。
Aがいない。
無情にも、涙が溢れた。
意識をなくす前まで、俺のそばにいた。そんな気がした。
もういない。
多分、おそらくきっと。
見えなくなった。それも考えたけど多分違う。
もう、いない。
唇の感触が、妙に思い出す。
もう少し、話しておけばよかったか。
口下手なのは、変わらないが、お前の前じゃなぜか勝手に口が開いたんだ。
ふと、病院服のポケットに違和感。
そこには目が覚めた時にあった花が入っていた。
｢伝えておけばよかった、なぁ、｣
もう一度、好きだと。
ーさよならだ、轟焦凍ー
｢あぁ、さよならだ、不死川、A｣
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にゃん(プロフ) - だんごさん» 閲覧ありがとうございました！そう言ってもらえると書いたかいがあります！！自分でも納得のいく最後がかけてよかったと思います！新作は考えております！良ければ次もよろしくお願いします！閲覧ありがとうございました！ (2018年2月8日 20時) (
レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
だんご(プロフ) - 大好きでずっと読んでいたて、凄く切なくて美しいオチでうるうるきてしまいました。にゃんさんの言葉の回し、文など読みやすくて好きです…！もし新作を書くのでしたら、次のも楽しみにしています！本当に完結おめでとうございます！(´｡･v･｡｀) (2018年2月8日 16時) (レス) id: f79547a215 (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - まこさん» ありがとうございます！ゆっくりと急展開もなく進んでいるこの小説ですが、よければ最後までお楽しみください！頑張ります！ (2017年12月11日 6時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
まこ - スッゴいいいです！頑張ってください (2017年12月10日 4時) (レス) id: 6c7b80997e (このIDを非表示/違反報告)
にゃん(プロフ) - ネネさん» ありがとう〜！！泣けるかわからないけど頑張ります！！！！これからもよろしく！！ (2017年10月19日 19時) (レス) id: e7a720d445 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃん | 作成日時：2017年10月13日 20時
