第5話 ページ5
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Your side
辺りが“ポツポツ”と言う音に包まれる
いや、正確に言えばもっと激しく“ザーザー”という音に
こんな日は私の必需品もお休みで
雨が奏でる音に身を任せ傘を持たずに
家を飛び出した
周りから見れば私は変人なんだろうな
そんな事を思いながら楽しく歩いていても
やっぱり
「あ、おはよう○○ちゃん!可愛いー!」
自然の力でも嘘はかき消す事ができないのね
「勉強してねぇよ、やべぇー」
全部嘘。
「ほんと大好き。愛してるよ」
うるさい
「ちょっと!」
憂鬱な気分で雨にうたれながら歩いていたら
急に右腕に体重がかかった
振り返るとそこには
「あ、タクト君。おはよう」
変なものを見るような目のタクト君がいた
「何してんの?」
「雨⋯雨が好きなの」
こいつ変わってるなって思われても
仕方ないって思っちゃって
逆に開き直ってる自分がいた
別に実際変わってるし、いいんだけどね(笑)
でも
「雨のためにそこまで出来るってすごいな(笑)でも風邪引くから入って」
タクト君は変わり者って思うどころか
『すごい』って『いいよ』って言ってくれて
おまけに心配もしてくれてこんなにいい人が
いるんだって思った
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作者名:いっけー | 作成日時:2016年8月19日 18時