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切られた火蓋 ページ47

「遅い。…………何笑ってんねん」


「ふふ、ごめんなさい」


だってまるで子供のような顔で膨れるものだから。……そういうともっと機嫌を損ねそうだから黙っておくけれど。

そっと扉を閉じ、隣に並んでお待たせしました、と微笑んでみせる。本当やで……とため息をついてまた腕を取られた。


「ほらキリキリ歩く!」


「……私は罪人かなにかですか……?」


「オレを待たせた時点で十分罪やで」


「なんて理不尽な……」


グイグイと引かれる腕にされるがまま足を動かす。無駄に抵抗しても止まらないなら流された方が楽だな……ああ着実に適応していっている……この人のペースに……。

手を引かれながら来た道をたどれば、最初に見た広場に戻ってきた。観戦席みたいなところにコネシマさんがいる。手なんか振ってる。くそう。


「ほな早速始めよか」


シッマ〜、しんぱ〜ん、なんて緩く呼びかけるゾムさんに任せときー!!と手を上げるコネシマさん。


「武器が急所に当たるか、相手を降参させた方の勝ちやでー!刃物はゴムやし拳銃もBB弾やから思いっきりやってええぞ!当たれば多少は痛いやろうけどな!!」


多分それ多少じゃなくて結構痛いやつ。
死にはせんから大丈夫やろー!と叫ぶコネシマさんに何が大丈夫なんですかー!?と聞きたい衝動をぐっと押さえ込んだ。


「ゴム製の刃にBB弾なぁ……。ちょっと面白みに欠けるけどしゃーないか」


「え゙っ」


待ってほしいなんか恐ろしいことが聞こえた気がする。

準備はええかー!?と叫ぶコネシマさんにいつでもええでー、と返すゾムさん。
いや良くない。すこぶる良くない。今のでよろしくなくなった。


「……お手柔らかにお願いしますね……?」


「んふふ、それはどうやろなぁ」


A次第やで?と細められる瞳と、同時に感じるピリついた雰囲気に目眩。
図らずも蘇らせられる、幾多の戦場の記憶。

ニヤ、と上がる口角をあらわに、ゾムさんが指でちょいちょいと手招きをする。


「こいや戦乙女(ヴァルキュリア)……一緒に遊んでくれるやろ?」


ゾクリと背中を駆け上がるなにか。高揚感に似たそれは、彼の瞳に触発された結果なのか。


「……ゾムさんこそ、」


「そんじゃあ行くで!よーい…………」


ピッと天高く上がった腕が空中でピタリと止まる。


「――私と"踊って"下さいね?」


「始めっ!!」


振り下ろされた腕と同時に、前へと足を踏み出した。



-Shall we dance?-



*

ちかちか、目眩→←身支度



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ゆう - 返信ありがとうございます!そうなんですね!なんかかっこいい…!! (2020年2月10日 7時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…!翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか?((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……!ありがとうございます! (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:悠栞@ゼリー | 作成日時:2018年1月14日 1時

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