私を知る人 ページ43
それじゃあ行こか！と先導して歩いて行くコネシマさんのあとに続く。
「とりあえずは食堂とー訓練所と談話室とー……自室もやな！」
「自室、ですか？」
「そうや！幹部には１人１部屋与えられとる。部屋が死ぬほど余っとんねんこの城。下手すれば一般兵も個室に出来るくらいにな」
流石にやらへんけど、とケラケラ笑うコネシマさん。
「なんだか申し訳ないです。ぽっと出てきた新参者なのに……」
「新参だろうが古参だろうが幹部なんやから当然やろ。文句言うやつはねじ伏せれば問題ない！」
できるやろ？とでも言うようにこちらを見るものだから、曖昧に笑って流した。……なるべく使いたくはない手段だな。
そんなたわいもない話をして歩けば、目の前に大きな扉が現れた。中に入ると、ずらりと並ぶテーブルと椅子。
「ここが食堂や！飯食う時はここに集合な。当番制で料理をして、幹部で集まって食う！A料理できる？」
「そうですね、人並み程度には」
「よっしゃ、戦力やな」
上手いもん作ってな！と言われたので頑張ります、と答えた。
「そしたら次は訓練所やな…………あ、」
私の後ろに視線をやったコネシマさんが、なにかに気づいたように片手をあげた。
「――ゾム！」
後ろを振り返れば、長い前髪で表情が見えない男性が１人。
カーテンのような前髪が揺れ、合間から翡翠の瞳がこちらを向いた。
「シッマやん、チッスチッス」
「チッス！仕事終わりか？」
「せやで〜ちょっとお掃除をな。なんや誰連れて歩いとん」
珍しいやん、とこちらを覗き込んだゾムさん、が動きを止めた。それはもう、綺麗にピタリと。
「ゾム？」
どないしたんや、とコネシマさんが問いかけるも、ゾムさんは身じろぎ１つしない。
「…………なるほどなぁ、捕まってしもたんか」
ふ、と息をついて唐突に喋り出したゾムさん。その瞳が見つめているのは、コネシマさんじゃなく私で。
「あ、の？」
「ああ、すまんすまん。驚かせたな」
ひら、と手を振ってパーカーのフードを被るゾムさん。……緑色の、パーカー。
(……この色、どこかで)
既視感に内心首をかしげていると、ゾムさんの口角がにぃ、と吊り上がり鋭い歯が見えた。
*
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ゆう - 返信ありがとうございます！そうなんですね！なんかかっこいい…！！ (2020年2月10日 7時) (
レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…！翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます｡ﾟ(ﾟ´▽`ﾟ)ﾟ｡ (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか？((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……！ありがとうございます！ (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悠栞@ゼリー | 作成日時：2018年1月14日 1時
