検索窓
今日:50 hit、昨日:0 hit、合計:525,109 hit

再醒 ページ40

「っは、げほっ、はぁ――A!!」


息も絶え絶えで死にそうなコネシマさんが、私の名前を呼んだ――というか、叫んだ。

真っ直ぐとこちらを見て、肩を上下させている。汗だくでぐったりした様子なのに、空色の瞳だけは色褪せることなく輝いていた。


「はい、コネシマさん」


名を呼ばれたから、返事を。
ただそれだけのことなのに――なんだか無性に、嬉しくなった。

そんな私を見て、大きく目を見開いて。は、は、と息を整えながら、ふらふらとこちらに近寄ってくるコネシマさん。


「コネシマさん、あぶな、」


咄嗟に腕を差し伸べれば、ぐんっとその手を取られ引かれる。導かれるままに飛び込んだのは、コネシマさんの腕の中。


「よぉ、やったなぁ」


「!?」


「頑張ったなぁ、A。……おめでとさん」


肩口に押し付けられながら、わしゃわしゃと頭を撫でられる。ふわりと香るのは煙草の匂いだろうか。苦くて、どこか優しい香りが胸を占めていた。


「っ、」


コネシマさんの荒い息がすぐ耳元に感じられ、声にならない音が漏れる。
突拍子もないスキンシップに混乱こそしたが、不思議と拒絶の言葉は出てこなかった。


「――はい、そこまでめう〜!」



*

再醒→←Another Side



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (378 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1013人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ゆう - 返信ありがとうございます!そうなんですね!なんかかっこいい…!! (2020年2月10日 7時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - ゆうさん» 一応「見つけてこい」と「貴方がそれを望むなら」的なことを直訳で言ってもらってます…!翻訳アプリ頼りなので文法的な間違いはおそらくあるかと思われます。゚(゚´▽`゚)゚。 (2020年2月9日 22時) (レス) id: 998f9539b4 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 小さなお返しの最後の方のロシア語って[...夕食でまた]とかの夕食でまたのところを言っているんですか?((伝わらなかったらすみません (2020年2月9日 22時) (レス) id: 9aa71b1239 (このIDを非表示/違反報告)
悠栞@ゼリー(プロフ) - リズム天国さん» ご返信遅くなり大変申し訳ないです……!ありがとうございます! (2019年6月8日 9時) (レス) id: 5f4004635c (このIDを非表示/違反報告)
リズム天国 - 面白い (2019年4月8日 23時) (レス) id: 1e030985a7 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:悠栞@ゼリー | 作成日時:2018年1月14日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。