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二百六十話 砕け散りし海辺に ページ14

敦は鏡花の手を引きながら、港の端に走った。


そんな時、目の前に二人の人物が現れる。




お目出度う(コングラッツ)。走り回って健康になれたな」




それは、フィッツジェラルドとメルヴィルだった。


次々と降りかかる困難に、敦の顔が歪む。




「…………!」


「うちの作戦参謀は優秀でね。逃走対策も万全だ。書類の分厚さには閉口だが」




作戦書を持ちながら自慢げにそう言ったフィッツジェラルドに、敦は右手を虎化し攻撃しようとする。




「くっ……、!」




しかし踏み出すより前に、敦の頭は強力な何かによって弾かれた。




「………!」




慌てて攻撃体制に入った鏡花も、短刀を持っていた右手を何かで弾かれる。

弾かれた右手は真っ赤に腫れていた。

持っていた短刀の柄も二つに折れている。


二人を弾いた犯人であるトウェインは、高い建物の屋上で口笛を吹いた。




「ヒュ〜ッ♪大命中〜!
死にはしないけど死ぬほど痛いんだよねぇ、僕の弾丸(たま)って」




遠隔狙撃用の銃の前で、ニッと笑う。



フィッツジェラルドはトウェインに向かってねぎらいの言葉をかけた。




「ご苦労、トウェイン君」


「………ッ」




そして、敦の首を掴み持ち上げる。

そして、少し背を曲げると鏡花に向かって言った。




「では小公女(リトルプリンセス)、ボーイフレンドは頂いて行くぞ」

「駄………目……、それだけは……」




鏡花は恐怖に染まった表情でいうが、フィッツジェラルドは気に留める事なくメルヴィルに指示を飛ばした。




「メルヴィル君、新拠点のお披露目と行こう」


「……承知した」




短く答えたメルヴィルは、海に手のひらを向ける。

すると、大きな音と共に海面の一部が盛り上がり、海中から大きな白い鯨が現れた。


メルヴィルは昔を懐かしむように呟く。




「久しいな……相棒」


《【組合】職人(フェロークラフト) ハーマン・メルヴィル
_____能力名【白鯨(モビー・ディック)】》




それを見たフィッツジェラルドは楽しそうに笑い、鏡花は絶望をその顔に映した。

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??(???)??(プロフ) - 神作品すぎてここまで読んでしまった……夢主ちゃんどうなっちゃうの!?長生きして欲しい……これからも作者様のペースでよろしくお願いします! (1月9日 21時) (レス) @page23 id: 71a0ede70a (このIDを非表示/違反報告)
花見月 - いつも楽しく読ませてもらっています。アンケートですが、1でお願い致します。 (2021年9月24日 0時) (レス) @page5 id: 216d69af47 (このIDを非表示/違反報告)
びっくりさん(プロフ) - 1がいいです。 (2021年9月22日 21時) (レス) @page5 id: d067fbdc83 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - 1が良いです。 (2021年9月22日 18時) (レス) @page5 id: 3b590f766f (このIDを非表示/違反報告)
ヒナ(プロフ) - 個人的には1が良いです。 (2021年9月22日 1時) (レス) @page5 id: 91a3e851e1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ark | 作成日時:2021年9月12日 7時

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