その笑顔の裏で (ページ48)

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四十七話　運命論書の悲みページ48

探偵社の外階段が、カツンカツンと音を鳴らす。

そこには大きな風呂敷を背負った敦がいた。

敦は厳しくも少し寂しそうな表情で、一段一段階段を降りていく。

そんな時、不意にそこを通りかかった国木田に声をかけられた。

「！こんな所に居ったか小僧。お前の所為で大わらわだ。手を貸せ。こいつを＿＿＿＿」

そう言った国木田は敦に近づく。

しかし敦は、国木田の言葉に応えることなく、そのまま国木田の横を通り過ぎた。

それには流石に不審に思ったのか、国木田が敦を振り返り、もう一度声をかける。

「おい？」

その声でようやく足を止め振り返った敦は、今にも泣きそうな顔をして笑った。

「……心配いりません。これでもう探偵社は安全です」

「……はぁ？」

その言葉を聞いた国木田は、何を言ってるんだこいつは、とでも言うような顔で敦を見る。

しかし敦は、それ以上言うことなく、走ってその場を立ち去った。

敦の頭の中では、またも孤児院で浴びた呪いの言葉が思い出される。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

「天下のどこにも、お前の居場所はありはせん！」

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敦は脳内で再生されたそれに、顔を歪めた。

「(その通りだ。僕は……)」