その笑顔の裏で (ページ3)

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二話　同僚探しページ3

Not side

『おはようございまー((「あいつはまた勝手に！！！！」…す』

Aの挨拶を遮って、国木田の怒号が社内に響く。

朝一発目からの怒号に、その場にいた全員が苦笑いした。

『おはようございますナオミちゃん。国木田さんは朝からどうしたの？まあ、なんとなく察しはついてるけど』

ナオミ「おはようございますAちゃん。お察しの通り、また太宰さんが仕事中に川に飛び込んだらしくて、怒っていらっしゃるの」

『やっぱりね』

苦笑してそういうAは、お話をしながらもコーヒーをカップに入れて、仕事の準備を始めた。

もう太宰のことは日常茶飯事となっているため、ほとんどの社員は平然と仕事にかかっていた。

「ああA、来ていたのか」

『おはようございます、国木田さん』

「おはよう。ああそうだ、コーヒーを入れたばかりのところすまんが、ちょっと太宰を探してきてくれんか？飲んでからで構わんのだが...。先程ひと仕事行こうとした際に、川に飛び込んでしまったのだ」

『じゃ、今から行ってくるよ。どうせ今日の仕事も昨日ほとんど片付けてあるからね』

そう言って立ち上がろうとしたAを、国木田が止める。

「コーヒーを飲んでからで良いと言ったぞ？」

『いいよ、これまだ一口も口つけてないし、国木田さんにあげる。……ああそれと、社長と乱歩さんは駄菓子屋で新作駄菓子買ってくるから、ちょっと遅れるからね』

そういったAは国木田にカップを渡すと、立ち上がって社を出た。

「全く、Aの勤務態度はいつ見ても病気じみているな。太宰にも少しは見習って欲しいものだ」

Aのいなくなった社内では、国木田の声がため息と共に響く。

その言葉を聞いた社員たちは、

「国木田/さんの手帳の予定への執着も十分病的だろう」

と、全員一致でそう思った。