ひとりぼっち ページ13
漢江沿いの遊歩道。
自転車でサイクリングを楽しむ人たち。
ジョギングを楽しむカップル。
川沿いの草の上にお弁当を広げて寝転ぶ家族連れ。
楽しそうに過ごす人達は誰もが幸せそうに思える。
だけど、それぞれの中にはいろいろな思いがあって、
悩みや悲しみをうちに秘めているのだろうか。
そんなこと、今まで考えたこともなかった。
本当の家族はいなくても、ドンへの家族がわたしを支えてくれて
たとえ一緒にいなくても、心の何処かで繋がってるって思ってた。
だけど…
本当は勝手にそう思ってただけで、実際はわたしは一人ぼっちで…
今は一人だってことがこんなにも寂しくて悲しくて
孤独を思い知らされる。
《昨日の血液検査の結果なんですが…
あなたは急性骨髄生白血病の可能性があります》
淡々と告げられる、誰もが一度は耳にしたことがある病名。
《詳しい検査をしてみなければ100%とは言えませんが、
白血球の数値を見る限り、おそらく間違いはないでしょう。》
頭の中を医師の言葉が駆け巡る。
《骨髄移植しか、方法はありません》
方法って?
骨髄移植しないと死んじゃうってこと?
《ご兄弟がいる場合、適合する確率が高くなりますが…》
《あなたの場合、抗ガン剤治療で耐えられる体力に限界が…》
《一刻も早く入院を…》
わたしはふらふらと、ベンチに腰掛けた。
「は、はは…」
そうか、わたし、死んじゃうのか…
なんだか、急に何もかもがおかしくなってきた。
気づいたら、わたしは大きな声で笑ってた。
周りの人が、わたしを怪訝そうに通り過ぎて行く。
小さな女の子が袖口を引っ張った。
「おねえさん…何で泣きながら笑ってるの?」
「泣いてる?わたしが?」
ちがうよ、笑ってるのよ。おかしくて…
その子はこくりと頷くと、わたしの手に小さな飴を握らせた。
「これあげるから、泣かないで」
そう言うと、レジャーシートの家族の元へ走って行った。
小さい頃の自分に重なる。
よくああしてみんなでピクニックに行った。
ドンへの家族とわたしたち家族で。
ドンへ…
ドンヘに会いたい…
「助けて…ドンへ…」
ああ、最近になって見た夢がやっと繋がった。
オンマとアッパが迎えにきてくれたのか…
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さくらこ(プロフ) - ごんごんさん» ごんごんさん、コメントありがとうございます!半年以上前に書いたお話を読んでいただいて、その上コメントまでいただけるなんて嬉しいです。つらいお話ではありますが、読み終わったあとは、きっと幸せな気持ちになってもらえると思います( ´ ▽ ` ) (2013年11月10日 12時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - 涙が出て来て… 止まりません (2013年11月10日 8時) (レス) id: 3fe715c8fc (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 裏琉さん、ありがとうございます^ ^ (2013年2月27日 15時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
°+裏琉+°(プロフ) - はい!最後まで読みます!!w (2013年2月27日 15時) (レス) id: e11767803f (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 裏琉さん、コメントありがとうございます!私も、同じ気持ちです。ぜひ、最後まで読んでいただけると嬉しいです! (2013年2月27日 15時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さくらこ | 作者ホームページ:http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時:2013年2月24日 19時