220.真っ暗 ページ10
これから彼に何を言われるのか。
それは私には分からないけど、目の色を見れば分かる。
普段は温厚な雰囲気の目が、今は冷酷さを放っているようにしか見えない。
それはつまり、これから私にとって良くない事が起こる予兆としか思えない。
「呆れたよ」
「...え？」
その言葉の意味が理解できなかった。
「まずオフィスに行って君の居場所を尋ねた時に答えたのは、あの二宮って上司だった」
「......」
「関わってる筈ないのに何で君の居場所を知ってんだろうね？」
「そ、それは...」
「うん、仕方がない事かもね。同じ空間に居る訳だし」
微笑んだ望月くん。
だけど、勿論彼の目は笑ってなんていない。
「それから言われた場所に行ってみたら、君は別の男の上司と二人で居た」
「...櫻井さんは、関係ないよ...」
「格好良い人だったね？」
今度はもう微笑みなんてない。
ただただ不敵に笑って、自分が優位に立つこの状況を楽しんでいる。
私にはもう彼の目的が分からない。
「君って、面食い？」
「...はい？」
「そうだよね？二宮にしろ、さっきの上司にしろ、俺にしろ？みんな格好良いじゃん」
高校生の頃から、軽いノリではあったけど「もっちー君は格好良い！」なんて言っていた手前、簡単に否定できないのが凄く悔しい。
「それに...篠田先生も格好良い人だったじゃん」
また、彼の言葉に息が詰まってしまいそうになった。
「せ、先生の事は口に出さないで...っ！」
「はは、確かに婚約者が居る教師と関係持っただなんて誰にも知られたくないよなぁ」
普段使わない部屋だとは言っても、同じフロアにはたくさんの社員が行き来している訳で。
「君も君だけど、教師も教師だよ。生徒の君に手を出すって、アイツ教師向いてないよね」
彼の声の音量だと、誰かに聞かれてもおかしくないものだった。
「二宮と別れてくれたから、先生との事も黙ってやろうかと思ってたんだけど、もうバラすしかないね」
「ちょっと、待ってよ...そんなの...っ！」
「うるさいなぁ！」
威圧的な声色と言葉に、息を飲んだ。
「約束を破った人間は罰を受けるのが、妥当でしょ？」
涙が一筋零れて、目の前が真っ暗になった。
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早咲(プロフ) - あさみさん» 長ったらしいお話にお付き合い頂き、本当にありがとうございました★私もシリアスな場面を書くときはハラハラしてました(笑)本当にありがとうございました！ (2018年3月25日 17時) (
レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
あさみ(プロフ) - 完結おめでとうございます。最初から読ませてもらってました。途中の試練でいつもハラハラしてましたが最後は幸せに戻れて嬉しい気持ちでいっぱいです。二宮さんの主人公ちゃんへの気持ちが大好きでした。 (2018年3月24日 21時) (レス) id: 5ffc9374f6 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - keiさん» アドバラに登場する恋敵はみんな癖が強すぎましたね(笑)書いてる私も病んじゃいそうでした(^◇^;)二宮くんに関してはもう言うことなしですよね(笑)完結までお付き合い頂き、本当にありがとうございました★ (2018年3月24日 18時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
kei(プロフ) - 完結おつかれさまでした(*^^*)華ちゃんにもなかなか手こずりましたけど、今回のもっちーは強敵でしたね。歪んだ愛情？って怖い！そんな中、和くんは見守ってくれてたんですね。よかった〜(T0T)さすが心に大皿をもってらっしゃる(笑)幸せなラストありがとうございます！ (2018年3月24日 8時) (レス) id: 6133f4f2c1 (このIDを非表示/違反報告)
早咲(プロフ) - ぐちこさん» 最後までドキドキハラハラが止まらないようなお話の展開で本当に申し訳なかったです(^◇^;)完結までお付き合い頂き、ありがとうございました★ (2018年3月23日 16時) (レス) id: e21b3fe696 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：早咲
| 作成日時：2018年1月22日 18時
