セレナーデ -恋歌-

会いたい Takanori.I ページ8

会いたい。



会いたい。


会いたい。



そう、願っても、泣いても、


叫んでも、嘆いてみても


会えなくて、




だってね。



別れちゃったもん。


重い女にはなりたくなくて。



ウザイと思われる前に自分から言っちゃった。





『別れよ。ね、剛典。』




絶対に私の言う事を否定しない君は、




｢Aが言うなら、そうだね。｣



そう言って、笑ったよね？


私は笑った顔を見て、堪らなく悲しくなって


心がぎゅって締め付けられた。


夜中、1人でそんな事を思い出して



涙が滲んできた。




あぁ、あんな事、言わなければ良かった。



後悔してももう、遅いんだよ。





光らない携帯を見て。



光らせてみても、デジタル表記の時計は01:16


そう、時間を知らせるだけ。



『なんか、買いに行こ。』


そう、1人呟いて

コートを羽織ってマフラーをして。


外に出た、





歩いて5分のコンビニ。


とりあえず、ホットを。


そして、剛典が好きだったチョコレート。


それを手にレジに。




『あ、……』


コンビニを出ると知っている顔。


会いたい、と、願っていた、顔。





｢久しぶりだね。｣


そう、笑って言ったから。



また、涙が滲んで。



『そう...ですね...。』



｢なんで敬語？｣


『いやっ、別に……』


｢なんで...泣いてるの？｣


『泣いて、ないです。』

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