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「狗巻先輩と下がってろ…!」
もう反転術式は使うなよ、と釘を刺され大人しく従う。
白虎を喚ぶ程のはもちろん、反転術式の乱用で呪力はほとんど残っていない。
助太刀にきてくれた真希さんと恵の共闘を見守りつつ、少しでも呪力を回復させるために深呼吸を繰り返す。
『(これで回復なんてほとんど不可能けど…、少しでも休まないと)』
かと言って気を抜くわけではない。
真希さんによって遠くに吹き飛ばされた呪霊に安堵しつつ、追いかける真希さんと恵の無事を祈った。
「っ加茂くん!?狗巻くんに橘さんも…!」
『西宮さん!』
箒にのって来てくれた彼女に説明すると、男2人の重さを軽くしてから箒に乗せてくれた。
この帳は五条先生の出入りを制限しているため、私たちは自由に出入り可能とのこと。
このまま硝子さんの元へ連れてってもらえるそうだ。
「君はどうするの?」
『私はもう少し回復してから帳を出るので、大丈夫です』
「気をつけてね」
『はい!』
姿が見えなくなるまで見送ると、力が抜けたように座り込んでしまう。
もう呪力はカラカラだ。
しばらく動けそうにない。
『あ…やば、』
座ってもいられなくなり、ふらっと上体が傾いていく。
帳が解けたのを見届けたとき、意識を失ったのだった。
*
揺られる感覚に目を覚ますと、目の前に五条先生の素顔があった。
どうやらお姫様抱っことやらをされているらしい。
しかし起き抜けにこれは…心臓に悪いのでは……?
「あ、起きた。大丈夫かい?」
『大丈夫…、特級は?』
「んー、とりあえずは退けたかな。Aも硝子のとこ連れてくからね」
『…ん、お願いします…』
恥ずかしかったけど、動ける気がしないので大人しく先生の胸に頭を預けておく。
上からクスクス笑う声が聞こえたものの、それに反応する元気はなかった。
「…………ほーんと、かわいいんだから」
先生がそう口にしたのは、誰も知る由もなかった。
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れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます!!!笑 また更新頑張ります!! (2021年11月10日 0時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです!笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです! (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2021年4月14日 23時