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生得領域を進んでいくこと数分、ひらけた場所にでた。
その瞬間目にした光景に、思わず口元を押さえてしまう。
『惨い…』
「3人…でいいんだよな」
2つの無理に丸められたようなものと、下半身が食いちぎられているような遺体。
虎杖が上半身だけ残っている人の胸元を見ると、そこには岡崎正とかかれたネームシールが貼られていた。
「この遺体持って帰る」
「え?」
「あの人の子供だ。顔はそんなにやられてない。
遺体もなしに"死にました"じゃ納得できないだろ」
『でもっ』
口を開くAを遮るように、伏黒が虎杖の制服を掴み遺体から引き離す。
そして淡々と、置いていけと口にした。
「振り返れば来た道がなくなってる。後で戻ってくる余裕ねぇだろ」
「"後にしろ"じゃねぇ、"置いてけ"っつったんだ!
ただでさえ助ける気のない人間を、死体になってまで救う気は俺にはない」
伏黒がそんなことを言うとは思わなかったのだろう。
目を見開いて伏黒の胸ぐらを掴む虎杖は声を低くして問いかけた。
「どういう意味だ」
「ここは少年院だぞ。
呪術師には現場のあらゆる情報が事前に開示される。
ソイツは無免許運転で下校中の女児をはねてる。
2度目の無免許運転でだ」
「!」
「お前は大勢の人間を助け正しい死に導くことに拘っているな。
だが自分が助けた人間が将来人を殺したらどうする」
「じゃあなんで俺は助けたんだよ!!」
言い争いが白熱していくが、今はそんなことをしている場合じゃない。
蚊帳の外だった野薔薇とともに2人に近づいていく。
「いい加減にしろ!!」
『今は任務だろ!!あと2人の生存を…』
確認しないと。
そう続けようとしたところで、Aと釘崎の足元があいたように地面に吸い込まれていった。
「A…釘崎……?ッ馬鹿な!玉犬は…!!」
玉犬白は破壊され、血を流して壁に埋まっていた。
「虎杖!!
逃げるぞ!Aたちをさがすのはそれからだ!!」
直後、真横から感じる重々しい呪いの気配。
________ 呪胎が変態をとげるタイプの場合、特級相当の呪霊になることが予想されます___________
想定していた、最悪の事態が起きていた。
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れおすけ(プロフ) - ちーさん» ありがとうございます!!!笑 また更新頑張ります!! (2021年11月10日 0時) (レス) id: 62ab6277f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちー - 好きです!笑 (2021年11月9日 12時) (レス) @page38 id: ca5a92bd63 (このIDを非表示/違反報告)
れおすけ(プロフ) - プスメラウィッチさん» コメントありがとうございます!オチは自分の中でも未定ですので、今後も応援してくれるとうれしいです! (2021年4月19日 14時) (レス) id: 424d22639a (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - れおすけさん初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2021年4月19日 9時) (レス) id: 8685377221 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れおすけ | 作成日時:2021年4月14日 23時