悪夢再び ページ16
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「はぁ、スマホぶん投げた時マジなにしてんのってなったよ」
「だって電話切ったら逆探知できないってノボルが言ってた」
「あ、HiGH&LOWね」
あの後、男は警察に連れていかれた。なぜ襲われたかは謎。
右腕をスパッと切られた私は、スマホを回収して警察が呼んでくれていた救急車で病院へ。
特別に3人とも付き添い。
ちなみにスマホちゃんは無傷。
……っていうのは嘘で、でもフィルムが傷ついたぐらいで済んだ。
バキフォンデビューしてなかったの。
奇跡だよ、奇跡。感動した。
割と深めに切られていて、縫うよってお医者さんに言われた時はほんとに絶望した。
だってさ、注射器出てきたんだよ?
痛いところにまた刺すとはわかってても嫌じゃん。
「Aさんよく泣かなかったね。僕見てられなかった」
「年下の前で泣くなんて恥ずかしいでしょ」
「んでもめちゃくちゃ目うるうるしてたで(笑)」
「ふざけんな、1回体験してみろよ!あの痛さ死ぬよ?!」
今は麻酔が効いてて全然感覚ないけど、今日の夜とか寝れるのかな。
「……Aさん、」
「ん?」
「血、」
今までずっと喋ってなかった吉野が、私の切られた右腕を指さした。
……血ってそういう事か。服に滲んでるよって。
吉野は上着を脱いで、私の肩にかけた。
わお、優男。
「気づかなかった。ありがと」
「……、」
「照れた?」
「叩くよ?」
「今なら痛くないもーん。てか感覚ないもーん」
「……。」ベシッ
「うわ、普通怪我人叩く?!」
「叩くよって言ったもん」
「いやいや、傷口開いたらどーすんの、……」
「「(イチャイチャしてんなぁ)」」
早く帰るよ、と吉野は頭をガシガシ搔いてさっさと歩き始めた。
……耳が赤かったのは見て見ぬふり。
可愛いなぁ、ほんとに。
それから、ゆっくり4人で家まで帰った。
玄関からうるさいヤツらが抱きついてきたのは言うまでもない。
「ただい、」
「Aさん大丈夫?!」
「痛い?痛いですよね、痛そう!大丈夫?!」
「……痛そうだと思うならこの力加減どうにかならない?」
リビングに入り、スマホを見ると何百件、いや、何千件もの通知が。
壊れそ。とりあえずスマホを放り投げて、ソファに座る。
「さて。事情聴取です」
そう言ってLIKIYAさんと陣、海青、北人が目の前に並んだ瞬間はほんとに恐怖だった。
さて問題です、のテンションで言うことじゃないよ。
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作者名:L | 作成日時:2020年4月19日 18時