ひとりぼっちな女の子と雪男 3 (ページ1)

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緑side ページ1

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阿部side

照とたまたま帰りが一緒になって、適当に話をしながら歩いていた。

岩｢そういえばA大丈夫かな｣

阿｢昼休み中もずっと寝てたね｣

寝顔可愛かったなぁなんて思ってしまうのは、少しだけ不謹慎なのかもしれない。

前にAちゃんが高熱になった時も見たけれど、あの時よりも表情は穏やかだったと思う。

それにしても寝不足と軽い貧血だなんて、何かあったのかな。
テスト期間って訳でもないし。

ここ最近、元気がないように見えたけど…。

心配だ。

こんな時、俺らの中で1番彼女と一緒にいる時間が長いめめが羨ましい、なんて思ってしまう。

今日だって体調の悪い彼女をめめが保健室に連れて行ってあげたらしい。

俺だって、Aちゃんの助けになってあげたい…。

まぁ彼女が元気でいてくれることが1番いいんだけどね。

岩｢…ん？｣

阿｢どうかした？｣

岩｢いや、あれ……！｣

阿｢？……っ！｣

同じ学校の女の子が男に腕を掴まれていた。

男の手には刃物のようなもの。

2人の顔は遠くて分からないけど、どう考えても女の子が襲われているようにしか見えない。

照はすぐに駆け寄って、俺は急いで警察に通報する。

近づくにつれて2人の姿がはっきりと見えてきた。

阿｢Aちゃん！｣

『…っ……誰？』

阿｢俺だよ、阿部！照もいる！大丈夫？！｣

『…はぁっ……目…痛くてっ……開かない…』

阿｢分かった、もう大丈夫だから！｣

彼女を支えながら、男との距離をとる。

男は逃げようとしたけど足の速い照に簡単に捕まえられた。

間もなく男は警察に連れていかれて、俺達は病院へと向かう。