猫拾いました。【ybin】 (ページ7)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:60,144 hit

#7 ページ7

yb side

ピーンポーン

急に静かな部屋に響いたインターホンの音
こんなことするやつ一人しかいない…
ドアを開けたら思った通りの人がいた

光｢よっ！｣
「連絡くらいよこせよ…」
光｢ごめんごめーん｣

お邪魔しまーすとそのまま部屋に上がる光
たまに来る光は中学からの親友
週末になると大抵どちらかの家で飲む
その時光の悲鳴が聞こえる
やばい、けいが…！
慌ててリビングに入ると腰を抜かした光がいた
目線の先には眠っている人間のけい
よかった、猫じゃなかった…

光｢薮、これ…｣
「あぁ、驚かせちゃったね、こいつ…」
光｢女の子連れ込んだの！？｣
「はぁっ！？」

大きい声を出しすぎたのかけいが起きる
けいも驚いたみたいで俺の後ろに隠れる
ギュッと服の裾を握っていた

『薮、この人だれ…？』
「大丈夫、悪い人じゃないから」

目の前の光も混乱している

「あー…ちょっと説明したいから、光にもけいにも」

カーペットの上に３人が座っている
光はけいを見ている
けいは俺の服を引っ張ったままだ

「とりあえずけいに説明するね、」
『うん、』
「あいつは俺の友達、光っていうの」
『ひかる…？』
「そう、悪いやつじゃないから大丈夫だよ」

そう言うとけいは服を引っ張るのを緩めた
光はけいに向かって頭を下げる

光｢どーも、八乙女光です｣
『どーも、けいです』

また不思議そうな顔をする光

光｢おい薮、俺にも説明しろ｣
「信じないと思うけど…」

すりすりと寄ってくるけいの頭を撫でる
気持ちよさそうなけいの顔

「こいつはけい、んーと…猫」
光｢ね、猫！？｣
「でも今は人になっている」
光｢なんでだよ…｣

部屋の隅に行って小さくなる光
けいはそんな光に近づいていった

『光、大丈夫だよ、俺普通だもん』
光｢あ、うん…｣
「けい、こっちおいで、」
『えー、なんで？』
「光は猫苦手なんだよ」

んー、と何かを考えこむけい
思いついたように手を叩いた

『一緒にご飯食べよ！』
「へ？」
『そしたら仲良くなれるでしょ？』

けいはニコッと笑った