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『A、出かける時はちゃんと戸締りを確認してからするのよ。あとお肉ばっか食べてないで野菜もその分食べなさい』
『お姉ちゃん…どこか出かけるの？』
『ううん。………そうじゃないよ、』
姉はいつものように職場である小学校に行って、その後帰ってこなかった。表向きは自死という形で片付けられた。
だけど、見送りの時に交わした会話は今思えばおかしかったのだ。
ーーまるで、自分は今からいなくなるとでも言うかのように。
『じゃあ、行ってきます……A』
**
｢ふざけるなよ…僕は君のためを思ってこんなことしてるんだぞ！！？それにあの男が殺されれば、君だって喜ぶはずだろう！｣
逆上した男が取り乱した様子で、私の両頬を強く掴んだ。自分を侮辱されたのが余程気に入らなかったらしい。勝手に私の気持ちを決めつけたのはそっちだろう。
｢……どうして人殺しと一緒にいられるんだ？恥ずかしくないのか。奴は君の幸せを奪い、君の大切な人を奪ったんだぞ？｣
｢………｣
｢ああ、そうか。君はまだ”これ”を見ていないから正気でいられるんだろう？｣
上擦った声で不気味に笑うと、おもむろに自身の端末を手にした男は、眼前に青白く光る画面を提示してきた。
眩しい光に目を細めていると、やがてそれが動画を映しているのだと察した。
『……まさか貴方が裏切り者だったとは思いもしませんでした。優秀な駒が減ってしまい残念です』
『………』
(ふ……る、や)
薄暗い室内で、黒いキャップを被った降谷が拳銃を片手に淡々と誰かに話しかけている。銃口が向けられた先には、
『裏切るも何も、私はもうこの世界から抜けることにしたの。だからお願い。帰らせて…妹のところに』
両手を上げて涙を流しながら命乞いをする、浅見光。……姉の姿だった。
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モミジ(プロフ) - この作品、最高です！この作品を読んで感動して泣きました。新作も読んで見ます！これからも応援しています！ (2019年5月5日 16時) (
レス) id: d4cb7d7d86 (このIDを非表示/違反報告)
ringo6349(プロフ) - こんばんは！完結おめでとうございます！ずっと私の中で物語を完結させたくなくて読めなかったのですが読めてよかったです。今回もとても素敵で好きなお話でした。本当にてなさんの書かれる物語が大好きです！忙しいので時間はかかるかもしれませんが新作も絶対読みます (2019年4月26日 22時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 華さん» 嬉しい限りでございます…複雑な心境を書くのがすごく難しかったです。コメントありがとうございますー！！ (2019年3月29日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - すごいです…。私、占ツクの小説で泣いたの、初めてです。夢主の悲しみとか嫉妬心とかが分かりやすくて、一気に読んでしまいました。完結おめでとうございます！！ (2019年3月28日 21時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 蓮-Ren-さん» ありがとうございます！そう言っていただけると凄く嬉しいです…(´∇｀) (2019年3月27日 13時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2019年3月21日 16時
