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夫が仕事に行って数時間、日課の掃除と料理をある程度済ませて、私はテーブルに置いた謎の手紙たちを前に腕を組んだ。
｢日に日に増えているような……｣
あれからストーカーの手紙は減るどころか毎日届くようになった。しかも時間帯は夫のいない真昼間。
封筒は白で統一されているが中身は毎回どろどろの恋文である。
ポストに手紙を入れている時を狙って捕獲しようかと思ったのだが、
『本当の君はあの男を愛していないんだろう？調べてみたらやっと分かったよ。あいつは公安の人間で、少し前に君のお姉さんを殺した犯人。
可哀想だね。僕が君を守ってあげるから』
｢………気味が悪い｣
心底吐き気がした。
降谷の正体まで見抜いた男となれば、ただの一般人ではなさそうだ。いくら赤井に護身術を教わっていたとはいえ一人で挑むのは無謀すぎる。
赤井に助けを求めようとしたが、どうやら手練のストーカーさんは私の動向を毎日チェックしているらしい。毎日手紙に入っている写真がその証拠だ。
赤井の家に行ったとして、変に赤井の正体を勘繰られても困る。
｢電話、………あいつの番号知らないんだった｣
ならば電話で助けを…と思ったものの、不幸にも番号の交換を忘れていたのであった。警察に連絡するわけにもいかないし、降谷に相談………
『零さん、あの…相談があって』
『悪いが疲れているんだ。明日にしてくれ……』
先日、降谷にそう断られたのを思い出し額に青筋が浮かんだ。最近はぞんざいに扱われることも少なくなったが、よほど疲れていたのか力無く後回しにされたのだ。
(……意地でも私一人で解決してやる)
ふん、と息をつきエプロンを取り外した。スーパーに食材を買いに行くためだ。奴の好物は当分抜きにすることにしよう。
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モミジ(プロフ) - この作品、最高です！この作品を読んで感動して泣きました。新作も読んで見ます！これからも応援しています！ (2019年5月5日 16時) (
レス) id: d4cb7d7d86 (このIDを非表示/違反報告)
ringo6349(プロフ) - こんばんは！完結おめでとうございます！ずっと私の中で物語を完結させたくなくて読めなかったのですが読めてよかったです。今回もとても素敵で好きなお話でした。本当にてなさんの書かれる物語が大好きです！忙しいので時間はかかるかもしれませんが新作も絶対読みます (2019年4月26日 22時) (レス) id: 66d3f8785b (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 華さん» 嬉しい限りでございます…複雑な心境を書くのがすごく難しかったです。コメントありがとうございますー！！ (2019年3月29日 14時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
華(プロフ) - すごいです…。私、占ツクの小説で泣いたの、初めてです。夢主の悲しみとか嫉妬心とかが分かりやすくて、一気に読んでしまいました。完結おめでとうございます！！ (2019年3月28日 21時) (レス) id: 1c08efcab1 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - 蓮-Ren-さん» ありがとうございます！そう言っていただけると凄く嬉しいです…(´∇｀) (2019年3月27日 13時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：てな
| 作成日時：2019年3月21日 16時
