--僕の妻-- ページ15
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ーーーーーーーー僕の妻は、少しおかしい。
「おいしい?」
「……あぁ」
味が濃すぎる豚肉を顔色変えずに咀嚼していれば、テーブルの向かいに座る彼女がふにゃりと笑ってそう尋ねてきた。
いつも通り雑な返事をよこしても、彼女は文句一つ言わない。
「……」
今日は真っ白いタートルネックに淡いネイビーのフレアスカート。昨日は薄手の黒いニットとチェックのロングスカートだった。
だが、僕はどうもその服装に違和感を感じる。
他にも感じる箇所はいくつかあった。
「コーヒーとお茶どっちにする?」
コーヒー、と答えて少し経ち「どうぞ」とテーブルの上に置かれたマグカップを何となく眺める。食器や家具は全て彼女のチョイスだ。
まぁほとんどが彼女が使っていた家具等をそのまま新居に持ってきたという物だが。
ーーーーーーーー棚の上には色鮮やかな花が飾られており、モノトーンの家具たちによく映えていた。
(以前彼女の部屋に入った時もほぼ黒と白で統一されていたし……)
先週。明日は急遽休日になったということを伝えに行こうとして、一応ノックを数回したが返事もなく。仕方なしに彼女の寝室兼自室へ勝手にお邪魔した。
ベッドの上でぐっすりと寝入っている妻を見て、それから周りを見て、僕は違和感を抱いたのだ。
……それだけじゃない。これはつい最近だが、ある日彼女の様子が一段とおかしかった時があったのだ。
『いってらっしゃい。今日の夜は会えないと思うから、』
ぎこちない仕草で僕の胸板へ身を寄せたAに、どんな態度で接していいのか分からなくなった。ただの同居人というイメージが強かったからだろう。
どこを見ていいのかも分からずその時はただただ旋毛を凝視していたのをよく覚えている。
(彼女は当たり前のように僕へ身を預けてくれるのに、それなのに、………どうして僕は)
妻を愛せないんだろうな。
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HALO - お互い実力は認めあってますし大丈夫ですよ!!同じ似た境遇ですからきっと共有すれば乗り越えられる素敵な夫婦になれますよ♪♪ (2019年3月21日 0時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» そうですよね…!よいお友達になれそうです!きっと乗り越えられたら強い夫婦になれそうですね(´∇`) (2019年3月20日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 降谷さんもきっと誤解を知ったら赤井さんといい関係築けそうですよね!!だから夢主ちゃんも乗り越えて降谷さんと幸せになって欲しいなぁと思います! (2019年3月20日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - HALOさん» ごちゃごちゃしてまいりました…wそうなんです!降谷さんが赤井さんをはちゃめちゃに憎んでいるのと似ているような感じにしたかったんです(語彙力)憎すぎて毎日降谷さんのことばっかり考えてたらいいなあとか思っております (2019年3月19日 17時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
HALO - 複雑になってますねw降谷さんもライが自殺を止められなかった事に対して殺したいほど憎んでいるのと同じな気もしますね!!夢主ちゃんが好きになってるなぁって思うし紙一重なのでしょうか? (2019年3月18日 23時) (レス) id: d6476dbe7d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:てな | 作成日時:2019年3月1日 0時