【降谷零】死ぬほど貴方が嫌いです、だから結婚してください【安室透】

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------現在



｢暫く見ないうちに雰囲気が変わったな。…それも、愛しい愛しい旦那様のおかげか？｣

｢愛の力は偉大で困るわ。彼のおかげで私は毎日下着の色で悩んでる｣

｢ハッ……だったら俺の所になんか来ないで旦那の相手をしていた方がいいと思うが｣

｢今頃女の相手でもしてるんじゃない？｣





夫が出勤した直後に私を呼び出したのは例の男、赤井秀一だった。つい最近死んだと聞かされていたがどうやら別人になりすまして生き延びていたらしい。

送られてきた住所にやって来て、インターホンを鳴らしてみれば見知らぬ人間が｢ようこそ｣と笑顔で私を家に招き入れたのだ。

まぁすぐに変声機のスイッチを切り｢こっちだ｣と赤井の声で客室まで案内をされたのだが。




｢で、なんでこんなことしてるの？｣

｢少し身を潜めてるだけだ。暫くすれば元に戻る｣

｢……そんな状況でよく私を家に入れたわね｣

｢目を離せば死にそうだからな｣




…金魚じゃあるまいし。穏やかな大学院生が赤井の声で喋っているこの状況自体違和感しか感じなかった。




『殺し方は教えない。代わりに倒し方を教える』




彼を脅したあの日、彼は私にそう言った。

そして数ヶ月後、武器は一切使わずどんな屈強な男でも簡単に押さえつける秘技を教えて貰った。


それからも、自死を試みようとした私を心配してか頻繁に連絡を取ろうとする赤井に促されるがまま、現在も交流が続いているのだ。




｢…優雅にお茶をしたくて呼んだんじゃないんでしょ｣

｢ああ。早速だが聞きたいことがある。
君の旦那についてだ…………殺したい男というのは、彼か？｣




この男のことだから、私の素性なんてとっくに調べ終えているはずだし。わざわざ聞かなくても分かるだろう…と思いながらも｢そう｣と肯定した。





｢私は絶対に彼を殺すの。たとえそれが正義じゃなくても、私は罪を犯す｣




……珍しく煙草を吸っていなかった赤井が、ニコチン不足かそれとも私の馬鹿げた発言に頭を悩ませているのか、あからさまに眉間に皺を寄せた。

--僕の妻--→←1 *変更あり

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