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番外編 ページ47

*

Furuya side



「ーーーーーー…は?謹慎?」

「え、ええ。三日間の謹慎だそうよ」



自分の家とも言える児童養護施設。困ったように
微笑んだ先生が「暫くそっとしておいてあげて」と
やや強制的に俺を学校へ送り出した。




Aがここにやってきて何年か経過した頃。

二年ほど下の彼女が高校に入学して暫くし、
いつものように一緒に登校しようとしたら
突然彼女の謹慎処分が告げられたのだ。




(……謹慎…ピアスか?それとも…)




どれも真面目で大人しい彼女には当てはまらない。

というか謹慎処分だなんて、滅多なことを
しなければ下されることはない。

昨日の夜遅くに、夕飯も食べず
部屋に閉じこもってしまったAを見る限り
相当のことをしでかしたのだろうか。






「あ、おはよう………ヒロ?」


「……ゼ、ゼロ…はよ」




駅のホームで周りを見渡しながら
目をキョドらせている景光を発見して
こいつさては事の詳細を知っているな?と察した。





「Aのことなんだが、お前なんか知ってるよな?」



「……Aちゃんに口止めされてっから」

「知ってるよな?」

「はい…」



景光が潔く光の速さで罪を認めたところで
さっきから学生達の視線が、
俺達に注目されていることに気付く。

これも彼女の謹慎の原因と
何か関係があるのだろうか。





┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈



you side



「…アンタほんとつまんないよね」



幼稚園の頃からいじめられるのには慣れていた。

無反応で相手を見上げれば大抵の相手は
「つまんない」と感じて立ち去っていくのだから。

ぐしゃぐしゃに丸められた授業プリントを
直していれば、ガンッ!!と机を蹴られた。
楽しそうに笑った生徒は自身の席へ戻っていく。



いくつになっても変わらない、もう慣れてしまった。








(……彼が見たら、きっと
手を出してまで守ってくれるんだろうな)





零くんがお母さんの元から連れ出してから数年。

いじめられて、やり返しもしない私の代わりに
怒鳴って悲しんで怒ってくれたのも彼だった。




(…)








「ーーーーーーー…ってかさー聞いてよ。3年の先輩に
降谷零っていう超かっこいい人いんじゃん」




ひくり。


彼の名前が聞こえた方へ振り返ってみれば、
先程私の机を蹴った女子生徒が他の子と
談笑をしているようだった。

番外編→←あとがき



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てな(プロフ) - まゆさん» わーありがとうございます!気づくの遅くなってすみません…!感動していただき嬉しみです(´∇`) (2019年3月10日 22時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
まゆ - 完結おめでとうございます^_^面白かったです^_^最後は、すごく感動しました!これからも、頑張って下さい^_^ (2019年3月7日 14時) (レス) id: 406c27ad01 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - かずささん» ありがとうございます!結構端折ってた部分もあったので過去エピソードとか結婚後のお話を時間があったら書いてみたい!!と思ってます(゜▽゜) (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
てな(プロフ) - れいさん» ぴえありがとうございます〜!50話を超えてしまったので気が向いたら続編を作ってみたいなとか思っております… (2019年2月1日 23時) (レス) id: 46f0755694 (このIDを非表示/違反報告)
かずさ(プロフ) - 私も結婚後の生活の話が読みたいです!できるならお願します! (2019年2月1日 22時) (レス) id: 189adfe0dc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てな | 作成日時:2019年1月20日 0時

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